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鬼ごっこをしていたら本物の鬼に捕まっちゃいました!  作者: イッチ
4章 閻魔帝王決戦篇
33/62

32話  最終決戦 Part2


城門を壊して、内部に入った。俺は玉座の階段を神速で走る。俺が閻魔帝王を倒すために。




樹威将ツーラはさっそく、閻魔十傑と出会った。

「ご機嫌よう。貴方は、閻魔十傑の1人でしょう?」

「よく分かったなぁ…俺様が閻魔十傑の九!樹鬼(ジューキ)だ!同じ木の属性だしなぁ!真剣勝負だ!!!」


2人が向かい合う。

ツーラは刀を抜く。聖剣・樹霊妖(ドライアド)を。

ジューキは己の拳だけを使う、挙鬼(きょき)だ。拳は、ヒヒイロノカネに近い程の強度を誇る。


「喰らえぇ!大地樹(アース・ツリー)!」


ジューキが城の木の床を殴る。その部屋の床が抜け、木が生える。木は天井まで伸び、ツーラを押し潰す。


「クゥゥッ…樹霊化(ドライアドモード)!」


ツーラはドライアド、霊になり、生えてきた木に宿る。そのまま脱出する。


「は!?卑怯だぞ!」

「そんなものはないわ!これは真剣勝負だ!」


ツーラはジューキの首筋に刃を当てるが、すぐに回避され、刀に拳を打ち込まれる。

ツーラが気にすること。それは刀のことだ。この刀が折れたり破損したりすると、自身を守る物が無くなるのだ。霊となっても、精神を破壊されれば終わりだ。


「クソッ!」

「おやぁ、もう終わりかぁ!!!」


ジューキが迫る。拳がツーラの腹にめり込む。


「ゴホォッ…」

「どんどんいくぞ!」


そう言い、拳を打ち込むジューキ。


「これで決着(ケリ)をつけようかぁ!死ね!」


大きく腕を引き、ツーラの右側頭部に強く叩き込む。そのままツーラは、百鬼夜城の壁を壊しながら吹き飛ばされる。

「グフォッ…」

他の部屋の床に倒れ、ツーラは苦しみ、大量に血を吐く。白目を剥き、気絶する。


ジューキはツーラを吹き飛ばすと、床を蹴り、ツーラが吹き飛んだ方向に向かって飛ぶ。

ツーラが気絶する一瞬、見えた。ジューキが目の前にいて、拳を降る姿が。






「……………ん!…さん!ツーラさん!」

誰かに呼ばれ、起きるツーラ。

「ん…何があったんだッ…頭…痛いわね…」


そこには、フウカがいた。

「大丈夫ですか?」

「頭が…痛い…大丈夫ですわ。ありがとう、フウカ。」


フウカは、ジューキを無限結界(インフィニティバリア)で捉えていた。

これには、ツーラも驚く。


(将軍として、不甲斐ないわ…!)

そんなことを考えているツーラ。

「あとは、将軍としてあいつを倒すわ。他の将軍達の助太刀をよろしく頼むわね。」

「分かりました!ご武運を!」




ツーラは、自身を治癒し、樹霊召喚(サモン・コダマ)を行う。魔法陣から5体の樹霊が出現する。


憑依(ポゼッション)しなさい!」


そう叫び、5体の樹霊がツーラに宿った。魔力や聖気が回復する。

準備が整い、フウカに意思送信(イントネーション)を送る。

(準備が整ったわ!結界解除を頼むわね!)

(了解です!)

フウカが応じる。


目の前の結界が消える。

「クソがッ…!皆殺しだぁ…皆殺しだぁ!!!」

ジューキが全ての鬼気(オーラ)を開放する。


今のツーラは、5体の樹霊と同化している。それでも、相当な力なのだ。


「そろそろ、終わらせるわ!」

「それはぁ…こっちの台詞(セリフ)だァァァ!!!!!」


ジューキの拳には、緑のオーラが纏ってある。それは、樹木葬(ツリーインテル)だ。殴った所から蔓や樹木が生え、狂乱樹霊(クレイジードライアド)をランダムな数を召喚する。


「貴方に私の最強の技を、見せつけてやるわ!」

「望むところだ!大木葉切断連激(ビッグリーフカッター)!!!」

「喰らいなさい!!!世界樹巨神虚無ヴォイドツリージャイアントォォォォォォォォォォ!!!」


ツーラの全身全霊の一撃。ツーラ自身の中で一番強い技。たった今、ここで作った技。


世界樹の巨神の拳が吹き荒れる。壁や床が崩れていく。殴られた部分は、黒いオーラが10秒程、残留する。

ジューキは思う。この黒いオーラにふれると、必ず、死んでしまうと。確信していた。

巨神が殴り尽くすと、その巨神は消える。が、新たな世界樹の巨神がそこから発生する。


巨神の巨大な親指が、ジューキの背中に当たり、ジューキの背中がえぐれる。


「ギャァァァァァァァァァ!!!」


拳から出た黒いオーラに、ジューキは蝕まれ、朽ちていった。




たった今、ツーラによって、閻魔十傑の九である、樹鬼(ジューキ)は死んでいった。

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