20話 閻魔帝王軍との戦い ―決着―
目覚めると、俺の目の前にニョレーキがいた。
「ニョ、レーキか…俺、どうしたんだ?」
ニョレーキの話を聞いた。どうやら、俺はコーキに殺されかけたらしい。
ニョレーキの放った銃弾・解崩弾。体の崩壊、つまり死して魂が拡散するのを防いで、体を完全治癒させるというチート級の弾丸を俺に撃ったらしい。
「そう…だったのか。それでコーキは?」
起き上がり、ニョレーキに問う。
「妾の魔法・刻滅封印で完全に覆ってる。脱出出来ない封印結界だ。」
「そうか…ありがとう!」
俺は、コーキの方を見る。
「ニョレーキ。俺がコーキに斬りかかるかる。その瞬間に結界を解いてくれ。」
「了解。手間のかかる子ね。」
「···すまないな…」
俺は飛ぶ。飛んでコーキに斬りかかる。
「開放!」
「ウォォォォォァァァアアアア!!!!!」
結界を開放した瞬間、結界内部に溜まっていた濃厚なコーキの鬼気が周囲に拡散し、地割れが生じる。それと同時に、コーキが威圧し、鬼気を飛ばす。
「死ねぇ!終末の竜星ォォォ!!!」
音速、いや光速を超える程の威力で星が降ってくる。
何発かが俺に当たって大量の血が出る。が、痛みを感じない。何で?恐らくはニョレーキのおかげだろう。有り難い。
「!?何故?何故アレを喰らって平然としているんだ!?」
これなら大丈夫だ。戦える!
(くそくそくそ!くそ!!!駄目だ!ここは、逃げるしか…!)
「世界終末獄星神滅崩覇!!!」
ヒロトは、手から黒い炎が出現し、金色の炎が混じってその金色の炎だけが天空へと散る。その金色の炎は分裂し、小さな流星へと変化する。そして、手の黒い炎を放つ。
(まずい!逃げなければ…!)
爆音と凄まじい炎熱が周囲に広がる。ヒロトは、確実に倒したと思っていた。
そこに残ったのは、大量の鬼の死体だけだった。
残った鬼達をニョレーキが倒すのを確認した。
コーキは、死を恐れて鬼を肉の壁として自分を守った。
ただ、俺の軍は竜王がいたようで、まさかの全滅。もう一度言おう、全滅!
コーキは卑怯な奴だな!
俺達はこの戦に負けてしまったのだ。兵の全てを失ってしまった…どうする?
国にはそれほどの被害は出なかったのだが、結界の一部を壊され国を荒らされた。その鬼達は、国にいる奴らが倒した。
これからの再建が必要だな。
戦場を監視する閻魔帝王。
「何故逃げたのだ?余は貴様期待していたのだぞ?コーキ。」
「···!」
「何か言いたいことは?」
閻魔帝王が問い詰めていく。そして、震えだすコーキ。
「つっ…次は…必ず貴方様のご期待に応えます。許して頂けないでしょうか!」
「それで良い。十傑程の強い鬼のはもう作れない。頑張ってくれよ。」
「ハッ!日々精進致します!」
(戦に負けたようだな。まだまだだな!そんなものじゃ、余の軍には勝てんぞ。)
閻魔帝王はヒロトに期待する。ヒロトの強くなった魔法を見て、閻魔帝王は喜ぶ。
「だが、これは実に喜ばしいぞ。」
閻魔帝王はヒロトとの決戦を思い浮かべる。楽しみだ、と思いながら。




