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鬼ごっこをしていたら本物の鬼に捕まっちゃいました!  作者: イッチ
第1章 鬼の悪夢ゲーム篇
2/62

2話  ゲームの始まり


〜前回までのあらすじ〜

鬼ごっこをしていると、本物の鬼に捕まり、鬼の世界へ連れてこられた。




「これからゲームを始めよう。」

「そうだな。」

「ゲームって…」


グシャ!

「いいか。俺達が話した事に口答えは駄目だ。発言を許した時だけ喋れ。」

血がべっとり付着した金棒をこちらに向けて、言う。


発言した人を、こいつが金棒で叩き殺した。


(これが・・・血…!)

俺は怯える。死にたくない、只それだけ。




「今から行うゲームについて説明する。ゲーム開始と言ったら瞼を閉じろ。夢の世界で自分の意志で夢の自分を操れ。生き残ったら、ここから解放してやる。」

ここには、100人程の人がいる。そいつらの中から生き残るまで。

(そうなのか?ゲームをクリアしたら、解放されるのか?)

ならばやるしかない!




「ゲーム開始ぃ!!!」

瞼を閉じる。すると、自分が下にいる。

「いいかぁ。これを被って前に一歩進め、と思え。」

ヘルメット?っぽい物を頭に被る。

(前に一歩進め。)

すると、下にいる自分が前に一歩動いた。

(成程。これで夢の自分を操れる。)

「作戦を考えたい時は、これを外して考えたりしろ。これを被ったまま邪魔な考えをすると、勝手に動いたりするかもだからな。」


武器は、弓、刀が渡された。

「これから1人1人で殺し合ってもらう。殺し合う時間は、1日間だ。殺すことに躊躇するなよ。さっさと相手を殺せ。」

みんなはバラバラな位置にいる。発言を許され、質問した。

「自分が夢の中の自分と同化して、戦えるんですか?俺、剣道習っていて、剣には自身があるんです。」

「・・・お前がそうしたいならそうしてやる。」

「ありがとうございます!」

そして、1番聞きたいことを聞く。

「夢で殺した相手は、どうなるんですか?」

「聞きたいか?また捕らえられ、ゲームが終了し、1週間経ったら死ぬだけだ。殺す準備というものがあるからな。」

そしてこれを聞いて決めた。


夢の中で相手を殺し、自分は解放される。その後に1週間以内に夢で殺した者を救出する。


1人目を見つける。俺は、剣道を習っている。同化を()()。すると、視点が夢の中の自分と同じ視点になる。剣道と同じ様に、相手を斬る。頸を切断し、相手は砂のようにサラサラと消えてゆく。

「すまない…!」

2人目と3人目。

協力しあっているのだろう。相手は気づいておらず、拠点を作っていた。枝を折る。工作カバンから金属を取り出す。3センチ✕3センチ✕3センチの立方体の金属だ。ランドセルは自分は、遊んで帰る所で捕まったのでからったままなのだ。以外にも役に立った。トンカチを工作カバンから出し、加工する。矢を全員もらっていないので、自分で作る必要があるのだ。


そこで、奇襲される。

(終わりだ!この雑魚小学生が!矢は頂きだ!)

俺は気づいて、トンカチを構える。

「カァァン!」

トンカチで刀を受け止た。

「チィィ…。」

奇襲を仕掛けた者はそう嘆く。昔からの身体能力で、足は早い。そのまま頸元へ近寄り、切断する。


「あっ、矢だ!」

「シッ!声が大きい!」

自分が作っていた矢を取ろうとする2人。

躊躇わず、2人の腕を斬る。

「ギャァァァァ!」

「オメェら、俺の物に触るな!」

1人の腰を切断し、そのまま2人目の目から頭を切断する。




そして、矢を射る。拠点を作っていた1人を殺す。

腹から血を流し、吐血しながら崩れていく。


「えっ…ねぇ!どうしたの!ねぇ!この矢、確度からして…あの高台…!?」

小さな美少女が怒りの言葉を叫ぶ。

(この声…。学校で聞いたことがある。消息不明となった…。)




「ねぇ!早く宿題出してよ!」

「うるせぇな!今してるだろぅ!」

「じゃあ、早くして早く提出して!」




目を見開いた。名前は、愛美(マナミ)だ。思い出した。消息不明は、この世界に連れてこられたからだったのか。

(殺せない…クソックソッ!)

そこからも殺しまくった。




そのまま逃げる。


(あぁっ!あぁ!)

俺が前に好きだった人はマナミだ。




殺せない…殺せない…。蹲りながら、眠りに落ちた。泣きながら…。




1日が経った。

「さぁ、1日経ったぜぇ。生き残った奴を呼ぶぜ。」

生き残った者がこの牢獄の広場に転移する。

周りを見渡す。

(これだけ!?100人はいたのに…!)

そして、俺は気付く。


(え?マナミがいない…!まさか死んだのか?このゲームのせいで?この鬼達が悪いのか?いや、そもそもマナミの仲間を殺さなければ襲われて死ぬことは無かったんじゃないか?さっさとこのゲームを終わらせる…。この鬼たちを殺す!)

ジャンプする。殺した数だけ強くなる。それがこの世界での基本だった。殺人いや、鬼殺しが絶えない。


1体の小型の鬼の頸を後ろから刺突する。血を出しながら、地面に崩れてく。

「あぁ?あぁ、戦いたいのか。分かったぜ!ヌゥゥン!!!」

振り回した金棒が俺の刀に激突する。物凄い速度!吹っ飛ぶ…!耐えろ!刀で弾き返し、鬼の歯を1本切断する。その歯を喰らう。




苦しみつつ、飲み込む。

「うわぁぁぁぁぁ………」

ヒロトは鬼の一部を取り込み、力を吸収する。




「コイツは何だ?人間が鬼の一部を取り込むとは。消化能力が異常じゃねえ!」


ヒロトの刀が変質する。

本来なら人間が鬼を取り込むと暴走するのだが、ヒロトは鬼の力を、完全に自分の力にしたのだ。




鬼に斬りかかる。

巨大な鬼2体を同時に腹を斬り、殺す。

ヒロトの目は赤く充血していた。目から血の涙が出る。頭に圧力を加えすぎると、目の血管が破裂し赤い血が目から出る。

「死ね。それができないなら、奪った全ての命を全て返せ。そして、死ね。」

いつものテンションとは違う、冷静で落ち着いている。











ヒロトの鬼殺し。

これが、ヒロトの殺しの始まり。

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