1.5話 カナメは、今···
カナメのショートストーリーです。
ヒロト···ヒロトがいなくなってどれほど経っただろうか…
あの時、あの瞬間。ヒロトを遊びに誘わなければ…
ここに、1人の少女がとても大きい「後悔の念」を抱く。
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「カナメ〜!起きなさ〜い!今日こそは学校行ってよ〜!」
何か聞こえた…あぁ学校、行ってなかったんだな…「今日こそは」か………もう、何もかも…嫌だ…!
その少女は自らが行った事に後悔している。ヒロトと遊んだ次の日。ヒロトは学校に来なかった。ヒロトの家は警察が捜査して、遊んだ公園にも警察が来ている。全国的に広がっている、「消息不明の連続事件」。恐らくヒロトも巻き込まれたのだろう。
(ヒロトと会えることは、もう…無いの…か…?そんなの嫌だよ…嫌だ…嫌だ…嫌だ…嫌だ…嫌だ………)
深い絶望、そして後悔。それが彼女を強くする。
心に決めた。犯人を見つけ、殺る。それだけだ。
(ヒロトを連れ去ったこと…絶対に許さない!後悔させてやる!)
「おはよう!久し振りカナメ!」
「···あぁ…誰だっけ…?あぁ…ゆい、か…」
「どうしたの?変だよ?」
その日は普通に過ごす。楽しいとは思わなかった。ヒロトがいないと、全く…楽しくない…
ある日、ニュースを見るとこんな事件が起きたそうだ。誘拐事件。カナメは決めてた。
(可能性がある奴は…全て…殺る!殺るんだ!)
カナメのいる県から、相当遠かったが関係無い。ナイフや、のこぎり等を持って家を出る。
カナメの殺戮生活が始まる。
カナメが出掛けると、丁度
「キャァァア!」
「あぁ、何だ…ろう…」
(誘拐か…丁度良いか…)
「ヤァァ…君の絶望と後悔。溢れ出しそうだなっと!」
カナメはナイフを声の聞こえた方に向ける。
「そんなに警戒すなよ。俺はお前の味方だ。その邪念を俺にくれ。そうしたら、力をやろう。」
「···え?いいけど…」
「じゃっ、頂くぜ!」
何かが体から引きずり出そうとしているようだ。ゴソッと、何かが抜けていく。
「あれ?私、何をぉぉ?」
「すぐに邪念に埋め尽くされる、か…ま、約束通り、力をやるよ。ホイ。」
(何か…投げて…きた…?)
「日本刀だ。純度がものすごく高い。硬いし、切先に炎をつけたり、と色々変えられる。凄いだろ?」
「あなた…は誰…?」
「俺は悪魔だ。鬼界に飽きたから、ここに来たんだ。ここはいい世界だな。」
(全然…良くない…ヒロトがいないかぎり…!)
「おっとスマン!また邪念が増えてしまった!じゃあ俺はこれでお暇するぜ!さらば!」
その少女は、その刀を持ってフラフラと動き出す。
カナメの蹂躙が幕を開ける。
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