16話 闘技
前よりも頑張った。
閻魔帝王と話した。
「剣でまた勝負しないか?」
「ハァ?お前強いじゃん。やーだね!」
「何言ってる。今向かってる所はな、闘技場だぞ!」
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朝まで会議を続けて、仮眠をとる。
「あ〜あ、眠っ…」
「おぉ起きたか。朝ご飯用意しておいたぞ。」
「ありがと。」
朝飯は、パンとミルク、天ぷらだ。パンや牛乳があったのが驚きだが、天ぷらは昨日フウカちゃん、いや、フウカから教えてもらったそうだ。
「フウカちゃんではなく、フウカとお呼びください。」
フウカの料理は一級品だ。美味い。カレーでライスが無いのがちょっと悲しいが、その代わり「ナン」がある。何で?
天ぷらがすごく美味しい。衣がサクサク。もう一度言おう、美味い!
朝飯を食べて、会議を開く。
「こちらもの兵も強化する必要があるな。」
「そうだな。」
会議というより、俺とニョレーキでの話し合いだ。
「ニョレーキは、強化魔法を持っているのか?」
「まぁね。でも閻魔十傑まで強くは出来ないけどね。」
「それでいいよ。」
「ヒロト。閻魔に攻められた時に勝てるのか?勿論妾も協力するが…」
「勝てるとは思わない。負けてもいいから戦う。」
コンコン
「はい?」
「ヒロト様。閻魔帝王様がお呼びです。」
「ニョレーキ。行ってくる。」
「気を付けろ。んっ…」
キスされる。離れようとしても抱きつかれてキスされる。俺の口にニョレーキの舌が入ってくる。
「ちょ…ちょっ…いいか…いいから。」
今思ったが、唇柔らか!ニョレーキ程の美女にキスされたら、もう死んでもいい!
「気を付けろよ。」
「ああ。」
扉を閉めて、廊下を歩く。
「おいセーキ。お前見て見ぬ振りしただろ!」
「‥‥‥‥‥」
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「呼び出しに応えてくれてありがとう、ヒロト。ニョレーキと上手くやってるようだな!」
「‥‥‥!あれは、その…」
「まあいい。ニョレーキの心を読んだら、「ヒロトが好き」って出てきたからな。」
(心が読める!?なら、考えていた作戦がバレるかも…!)
「ああ…もう帰っていいか?」
「ほうほう、「考えていた作戦がバレる」か。ダイジョブダイジョブ!余はそういう卑怯な真似はしないぞ!」
背中をバシンと叩かれる。
(イッテェ…)
閻魔の話はこうだ。
俺と閻魔で戦い合う。それを闘技場で皆に見てもらう。
こういうことだ。
廊下で話した。
「剣でまた勝負しないか?」
「ハァ?お前強いじゃん。やーだね!」
「何言ってる。今向かってる所はな、闘技場だぞ!」
「え!?」
「「「ワァァァァァァ!!!」」」
闘技場に歓声が響く。
「これから試合を始める。審判はこの俺、セーキだ。始め!」
唐突に始まった。
試合が始まった瞬間に両者が同時に、そして一瞬で間合を詰める。
「キィン」
両者の刀がぶつかり合う。火花が周囲に飛び散る。
「時空死突撃!」
時空を超えて、いつでも攻撃したい時に放てる魔法。
「痛ぅ…なかなか効いたぞ、その魔法はな。喰らえ!流星群舞風!」
時間が強制的に夜になる。そのまま、星が降ってくる。
「!!!」
回避を続ける。ただ、最後の一つが背中に当たる。
「ゴキッ」と、背中から軽い音が鳴る。骨が折れたのだ。
「グウウゥア!」
痛みの悲鳴を上げる。すると、背中の傷が癒える。
(ニョレーキの魔法か…ありがとう!)
「どんどんいくぞ!精霊魔法・召喚・葉の精霊、岩の精霊!」
「精霊か!目視複製!魔法は習得した!召喚・野の精霊、木の精霊、水の精霊、火の精霊、潮の精霊!」
両者が精霊を召喚する。
「は?一気に5体!?ハッハッハッ戦いは何があるか分からないな!」
「召喚獣同一化!」
ヒロトが召喚した精霊全てを己と同一する。これは閻魔十傑の五が繰り出した召喚鬼己統一を見て派生させた魔法。
(何だ…これ…体から力が溢れてくる…!)
「うおおお!精霊斬撃!」
「甘い!死滅鬼砲撃!」
ぶつかり合い、周囲にエネルギーが飛散する。
結果、2人は生きた。
「やるな。余をここまで追い詰めるとはな…百鬼繚乱体!」
これが、閻魔帝王の本気の開放。周囲に鬼気を放つ。
(は!?これが閻魔帝王の本気!!!)
「この姿を現したのはなぁ3000年ぶりだよ…大精霊召喚・水の大精霊!火の大精霊!!!統合、赫水の精霊王!!!」
火の大精霊と水の大精霊を統合し、赫水の精霊王を生み出した。
「これは!何だ!」
(暑い!暑い!)
「陽光死滅!」
「あぶねー…」
(ギリギリで回避したが…どうする?精神体を打ち砕く魔法を創るんだ。よし!いけーーーー!!!!!)
「精神崩壊核撃滅末!!!」
(グウウウアアアア!!!)
全てのエネルギーを持っていかれそうになる。
その一撃は、赫水の精霊王を滅して、閻魔帝王に届く。
「ウォォォォォァァァアーーー!!!」
閻魔帝王は必死に耐える。が、
土煙が消えると、両者どちらも倒れていた。だが、ヒロトは立ち上がる。
「‥ヒロトの勝ちぃ!」
「よくやったぞ。ヒロト。」
「おめでとうございます、ヒロトさん。」
「もっと本気出せば良かったな…」
ニョレーキやフウカ、閻魔帝王から喜びの言葉をもらった。
「お前、魔法強くなってるな!」
閻魔帝王が言う。
「いや、お前の魔法、相当痛かったぞ?背中やられた時立てなかったからな。」
閻魔帝王に初めて勝った。
あらすじ考えるので、更新が遅くなるかも…




