15話 閻魔帝王からの呼び出し
また、手紙です…閻魔帝王から。
ヒロトよ!
もう一度王宮に来てくれ!さらば!
本当にテキトーだよね。閻魔帝王って。
「ニョレーキも行くか?」
「ええ、勿論。」
天鬼の背中に乗せてもらい、飛ぶ。風が気持ち良いのだが、鬼の世界は少し匂いが…
「お待ちしておりました。ヒロト様。」
セーキが礼をする。
「おぉ、久し振り。セーキ。」
セーキを見て分かった。鬼気が半端ない。前よりか増えているんだ。ニョレーキもセーキを睨んでいる。
「ご案内致します。」
「‥‥‥ああ…」
「久しいなヒロト。」
「なぁ気になるんだが、何で周りの鬼達はこんなに強いんだ?」
「余の鬼気を与えて強化したんだ。来る決戦に向けて、な。」
「‥‥‥?どこと戦うんだ?」
「お前達の国だ。滅ぼすかもしれんぞ?」
「え???」
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ニョレーキがこの言葉を聞いて、己の服を握りしめる。そして、強い鬼気を放つ。
「こいつ!妾の国まで滅ぼしておいて…!」
怒りの声を放つ。
「‥‥‥落ち着け、落ち着け‥‥‥」
言い聞かせても、ニョレーキは怒る。目をカッと開き、歯軋りする。
「アッハッハ!落ち着…」
「んぅぅ!」
ニョレーキが閻魔帝王に攻撃を仕掛ける。
「破滅王の宝玉!」
閻魔帝王の玉座が大爆発を起こす。ニョレーキはすぐに閻魔帝王から離れる。
ただ、閻魔帝王は無傷。それどころか、王宮に傷一つもついてない。
「ハッ………?」
これは死滅魔法の上位魔法の一種。ただでさえ死滅魔法は強いのに、無傷。
ニョレーキは驚く。
「ったく…ニョレーキ、お前は短気すぎるんだよ。」
「なっ…」
「そんなままだといつまで経っても余を倒せないぞ?」
「まぁまぁそんなこと言わずに…ニョレーキ、勝手に手を出さないでほしい。分かった?」
「フン!お前がそう言うならそうするさ!」
「ほら、それを食え。」
閻魔帝王から出された食事。それは、
(カレー?カレー!カレーだー!)
パクパク食うのをニョレーキに驚かれた。
「食い方が汚い!」
って言われた。
「お前、カレーを知ってるのか?」
「ん?ああ。元いた地球にあったよ、カレー。久し振りに食べるんだ。」
「何なら、妾がカレーを作ってやろうか?」
「え、いいのか?作り方知ってるのか!?」
「‥‥‥知らん。」
「「‥‥‥」」
閻魔帝王と共に黙り込んでしまう。
「頼む!妾にカレーの作り方を教えてくれ!」
「余の料理人に日本人って奴がいたぞ?」
(日本人か…ま、誰でもいいか。)
「その、日本人って誰なんだ?」
「あぁ、ええと確か‥山口楓香、だったかな?」
(知らないな…)
「やぁ、君がフウカちゃんかな?」
「ん?はい。私が山口楓香ですが。」
真面目そうな人で、俺と同じぐらいの子供である。
「このニョレーキっていう俺の仲間に料理を教えてくれ。」
「まず、貴方は誰ですか?」
「あぁ、大翔だ。お前と同じ、日本人だよ。」
「日本人…日本人ですか。いいですよ。」
「フウカちゃん料理上手だね〜!」
フウカの料理するとこ見てたら、すごく手際がいい、そう思う。
「んっ…あっありがとうございます!」
顔を赤くしてそう言う。
夕飯を楽しみ、客室で過ごす。風呂から戻り、部屋に行くと浴衣姿のニョレーキがいた。
「あ、帰ってきたか。」
‥‥‥これ、最高だぞ!胸元の「谷」がよく見える!あぁ、もうちょい、もうちょいこっちに動いて…
「どこを見ているんだ…?」
「!!!‥いやどこも見てないっす…」
俺達は会議を開く。俺達の国にいる首魁達をここに転移させて。
「閻魔帝王が俺達の国に侵攻するかも知れん。」
「閻魔帝王の戦力はおよそ800万だ。」
「絶望的ですね…」
「一人ひとりがニョレーキ程の戦力だ。閻魔十傑達は俺と同等、またはそれ以上だ。」
会議は翌朝まで続いた。
ニョレーキの姿は想像でお楽しみください。僕の妄想は相当な美女、と妄想しています。




