12話 国家との激突 1
ヒロトが作る国の近くの国。カンナス王国。
その国王、ジュリ・ドラ・カンナスは、報告を聞き、激怒する。だがこの領土は閻魔帝王が直々に与えた領土なので、閻魔帝王に苦情は言えない。カンナス王国の周りは食料が豊富だった。果物や動物など。近くに国が出来ると、その食料を取られてしまう。
ただそれだけ。だが、鬼界の食料問題は深刻なのだ。それほど食料が無いのに、殆どを閻魔帝王に献上する。
それに皆不満を抱いている。ただ、その不満をぶつけられない。閻魔帝王が世界を支配し、絶大的な力を持っている。
「ん〜、この国。滅ぼした方が良いかもしれん。」
「国王よ、それは閻魔帝王様の逆鱗に触れる…」
「閻魔帝王は口出し出来ぬ。我らと相手の国の問題だ。それに何で閻魔帝王が口出しする必要があるんだ?」
「それは・・・」
「いいか?皆の者。この国を攻め滅ぼす。分かったな!」
「・・・はい…」
国王の側近や、配下達は考えていた。この戦争は、必ず負けて、閻魔帝王の逆鱗に触れると。
閻魔帝王が行うゲーム。それに生き残ったという、ヒロト。そのヒロトとやらが建国したらしい。
「ヒロト!」
「どした?」
「カンナス王国がこの国に侵攻している!」
攻め込まれている?この国に?
「全ての鬼達に言う!カンナス王国の兵を皆殺しにしろ!」
「「「ウオオオオオオオ!」」」
鬼達は歓喜する。「皆殺し」。これは鬼達にとって、最高の言葉だ。
鬼達は、殺せることを楽しみにしている。
カンナス王国の兵は、およそ五十万。圧倒的に不利。だが、うちの軍勢には、ニョレーキという魔法の天才がいる。
俺も閻魔十傑の2人を倒した。十分強いのだ。
武具制作は、ランマの弟子達も協力も得て、大量の武具を貰った。
そして、1週間後。
「ゴーン」
この鐘の音が鳴る。その瞬間に向かい合っていた軍が動き出す。
「氷結結界!」
ニョレーキが、相手の軍に内部を凍らすという結界を張った。耐えた者は結界から出てきて、耐えれなかった者は結界内部で凍死する。
俺は、
「炎天華。」
数百億度の炎が金色の華から発射される。大体の者が焼失する。
そのまま、炎から逃れた者達が走ってくる。その数、およそ十万。
カンナス国王は、驚愕した。巨大な結界が現れたかと思えば、巨大な炎が出現する。これは、負け戦だと確信する。
(敵に回してはいけなかった!!!)
王は逃げ出す。
(あの者達に勝てるわけがない!逃げなければ!)
「暗黙・・・」
「はぁ!?」
国王は発狂する。突然、周囲が真っ暗になったのだ。
「おい、お前が国王か。」
「ハァハァ…」
すると、カンナス国王の視界が戻る。
「お前の軍は俺達の軍が全て潰したぞ?」
「えっ…」
国王は後ろを振り返る。そこには、惨殺されるカンナス兵士達がいた。
「俺達を舐めるなよ?じゃあそろそろサヨナラだ!爆炎幻霧覇!」
「やめっ…やめでぇ、待っ…!」
身体の細胞を焼き尽くす、死滅魔法だ。
だが、カンナス国王はこう、確信していた。
(次の部隊があの!あの化け物を倒してくれる…!)
「ハァ、終わった。想像以上に弱かったな。」
「そうだな、すぐ終わったな。」
「おい、ヒロト!あそこ!」
後ろから声を掛けられ、振り向く。
そこには・・・