10話 鬼界とは
鬼界。それは、閻魔帝王が支配する。
地球は、球の形をしているが、鬼界は地球の表面の裏側、内側なのだ。なので、上を見上げればすご〜く遠くに陸地が見える。鬼界の中心、まぁ球の中心と言ってもいいが、そこには一つだけ雲があり、そこから雨が降る。
歩いていると、不思議な感覚だ。地球のように水平に歩いているようだ。重力もある。重力は1/4程度。跳ねれば少しフワッと浮いて落ちる。
閻魔のゲームから開放された時、ジャンプしまくって楽しかった。
閻魔帝王が鬼界を支配するが、国もある。大体が独裁政治だそうだがな。閻魔を倒して、仲間と共に地球に帰る。それが、目標。
ここに来て、1ヵ月は経っただろうか。俺達は、質素な食事をする。風呂を俺達は作ったのだ。風呂はニョレーキの魔法の「聖水」とやらを出して、体を洗う。もちろん男女分かれて風呂に入るよ?でもなぜか、俺はニョレーキと一緒なのだ。おかしいだろう?
みんな、「こんな美人さんと一緒に風呂に入れない!」とか言って、俺に押し付けたんだ。ニョレーキは、誰でもいいとか言って了承したが…。
脇から巻くタオルの胸元が少し膨れ上がっている。
最初、一緒に風呂に入った時、
「どこを見ているんだ?」
とか言われた。あれは少しビクッときた。美人と温かいお風呂。これ、最高じゃねーか!とか興奮していたが…。
衣服は、ニョレーキが閻魔の王宮から持ってきた織り機で作っている。質のいい服。
いや〜、ニョレーキが来てから色々と助かってますよ!
協力をしてくれて助かるな〜。あと、武具制作職人が必要。武器がないのだ。
「武器?あぁ、妾の治めていた国に鍛冶屋の地区があったぞ。その職人は国が無くなって、旅する鍛冶師として生きているぞ。探せば会えるかもよ?」
そんな話をしていると、
「ニョレーキ様!ニョレーキ様はいるか?」
俺とニョレーキがいるテントの外から聞こえる。
テントの扉を開けると、
「ニョレーキ様は?」
と言う、デカいカバンを背負うおじさんが立っていた。
「おお!ランマか、久しぶりだな!」
「ニョレーキ様!」
泣きながらおじさんが言う。
誰だよ…。
「ニョレーキ。こいつは誰だ?」
「妾に仕えていた、伝説の鍛冶師・ランマだ!」
「鍛冶師!?おいおっさん!俺達と協力してくれないか?」
「いいぜ!!!」
(軽っ・・・。)
「何でこの場所が分かったんだ?」
ニョレーキが問う。
「ニョレーキ様の香水の匂いを嗅いで。ここへ来ました!」
「嗅覚バケモンかよ…」
思わず声に出してしまう。
「鍛冶師の部屋を設けるから、ニョレーキとお喋りでもしとけ。」
「いいんすか!?」
「あぁ。」
俺は、鍛冶師の協力を得た。
そこへ普通の鳥が来る。足に手紙を巻き付けて。
「また閻魔からか。」
強き者ヒロトよ!
余の王宮へ来い!話がある!
だっる!
この前行ったんだけど!
鳥を飛ばす、閻魔の下へ。
閻魔から招集があった。