第四話「部活動を選ぼう(下)」
前回(第一話)投票の結果:2
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1.真っ先に放送室へ
→2.怪しいし、ちょっと西へ寄り道してもいいよね…
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まぁ、幼馴染を名乗る不審者が第一印象じゃあねぇ…
三会には、残念だけどしばらく待っててもらおうか。
"大扉"前の階段を通り過ぎて、西側に向かう。
「化学室」と書かれたプラカードはとても綺麗で、
部屋のドアも埃汚れ一つない。
そんな部屋から、突如爆発音が聞こえた。
→1.何事!?
それに少し遅れて、男の上ずった声が聞こえる。
「アッハハハハハハハハハ!!
実験は順調!!改良は最高!!!
後は最強モルモットもとい被検体の人間に投与するだけ!!
時間が惜しい!まずは穏便に実証実験から始めよう!!」
…ねぇ君、思考回路は大丈夫かい?
こんなヤバそうな部屋入るの、常識的にも正気じゃないよ?
1.なにも見なかったことにして、早く放送室行こう…
→2.お邪魔します!!!!!
え?
なんで?
→1.だって、どう考えても、
→2.友達になるチャンスじゃないですか!!!!!!!
――あっ。
…あー。
…あーあ。
…そういえば、いきなり意味不明な学園に転校させられても、
不信感を抱くどころか警戒する素振りすらなかったね、氷室君。
…なんでこの学校ヤバい奴しか在籍してないんだろう…?
1.新入生の氷室です!!
→2.(深呼吸して)初めまして。新入生の氷む…
君がその言葉を言い切る前に、
白衣姿の、瞳孔が開いた男が口を開く。
「部屋に入るな!!!!!!!!!!!!!!
実験中に不確定要素を入れるんじゃない!!!
それとも何か!?君は薬学発展の阻害を第一に
ちょっと待った君は新入生じゃないかようこそ
凍結学園へ歓迎するよ早速だが君の身体的情報
を取らせてくれたまえ製薬の非検体は多ければ
多いほどいいし奇病の症状も多ければ多いほど
治しがいがあるのだ例えばカルキノス二名一組」
→1.特に病気はありませんが…
すると、白衣の男は。
「あっそう。やっぱり?つまんね…
見たところ、君超健康体だからね。もう帰りな。
肉体に異常がない限り、ここは来ないほうがいいよ」
→1.はい。では失礼します!
「お大事にー。(ドアが閉まる)
(机を叩きつける音)よし!!!!!
実験の続きだ!!!!!!!!!!!」
→1.優しい人だったな。放送室に急ごう。
…?
…。スーッ(深呼吸)
そうだね!先を急ごうか!
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階段を上って右手側を見ると、
彼女は放送室の前に立って待っていた。
「やー!いらっしゃいいらっしゃい!
どうぞ!中入っていいよ!」
三会はそう言いながら、
放送室の中に氷室君を引きずりこむ。
1.ここが…放送室?
放送室の中は狭く、
音響操作をする一台の大型機械と、
ゴミ箱と2個の椅子のみが占めていた。
大型機械が収まるスペースはない。
無数のディスプレイが黒画面を映す壁面と、
左側の椅子にマイクが置いてあるのみだ。
三会は地面に落ちていた、裁断された紙の
切れ端をゴミ箱に捨ててから、話を始めた。
「さぁさぁ、座って座って。
実際に仕事見てもらうのが一番早いしね。
はーい!カメラスタンバイ、セット!」
三会はそういいながら、沢山のディスプレイの
下にあるボタンを押した。
すると、ディスプレイが一斉に起動し、
学校に点在するカメラから無数の映像を映し出した。
→1.すごい…!校内全部見える!!
2.(妙にカメラが多い部屋がある…)
「そ。この学校のあらゆる部室は放送室の監視下!
仕事の忙しい会長に代わって、ボクが皆を見守ってるのさ」
そういうと…悪戯っぽい、笑みを…浮かべて…。
「キミが化学室に寄り道したのも知ってるよ~。」
と、氷室、君に、…あ、圧をかけ、た。
うっ…別に、なんでも…。き、気にしないで。
1.す…すみませんでした!
→2.爆発が気になって…!
「だいじょぶだいじょぶ。嘘つかなくていい。わかってるよ。
僕の事、ちょっと疑ってたんだろ?それが"当然"だよ。
それに思い出せないなら、別にそれでいいよ。だって、」
「もう一度友達になればいいだけだから、ね?
じゃあ、握手でもしようか!」
→1.(握手)
うぷ…ごめん…ちょっと…
二日酔いかも…マジで吐き気がする…
しばらくナレーション離れるね…!!
「うん。これからもよろしくね!
んで…ボクたち、何話してたっけ?
ああそうだった。キミ、部活を知りたいんだろ?
日本文化部以外ならガンガン見学していいよ!」
→1.体験入部希望です!
2.(屋上にカメラはない…)
「入部希望?いやいや、悪いけど、放送部は譲れないなぁ。
"凍結学園"では、部活は新しく作るのがほとんどだよ?
この学校の生徒も全員、別々の部活にいるでしょ?
皆やりたいことをやってるんだ。キミといえども、譲らないよ~?」
「…あー。そう来たか。
いやね…この部活動は、実は会長からの依頼でね。
僕、こっちはあんまり乗り気じゃないんだ。バレちゃったか」
「アタシの本当の目的は、アルベドと一緒にいること。
日本文化部の彼女。留学生でさ。まだこの学園のこと、
よくわかってないんだ。そう、キミと一緒でね?
だから、彼女にはあんまり接触しないでくれ」
→1.この学校、結構みんなおせっかいですよね。
2.仲良くなれそうで、とっても嬉しいです。
「…うん。この学校、おせっかいな人が多いんだ。キミも相当だと思うぞ?
不思議だよね。個人行動してるのに、皆仲良しなんてさ。
奇跡だよね。ボクはこの奇跡を…大切にしたいんだ」
「というわけで、このボクはおせっかいな
先輩お姉さん、と覚えておきなさい!同い年だけどね!
でさでさ、部活はどうするの!?」
1.その…誰かを支援する、お助け部みたいなの…
2.友達になって、沢山手助けしたいな、って…
「…へー。いいじゃん!ボク、応援するよ!
キミならそうくると思ってたよ!昔から全然変わってない!」
1.そうなの?とにかくありがとう!
2.じゃあ、部活の新設依頼に…
「でも、それならちょうどいい部活があるよね?」
1.え?それどこですか?
「さあ~ボクは~よくわかんないな~
これは~君が考えると~いいんじゃないかな~
見学はもういいよ~会長の部屋に戻りな~」
1.…!あっ!ありがとうございます!!
「ん~何のことかな~わからないな~じゃあね~」
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うぇ…きもちわるかった…
あっ。なんでもないよ。
さあ、話を続けようか。
君は放送室を出て、会長室に向かう。
ドアにノックをして…
→1.失礼します!
彼女は丁度休憩中で、コーヒーに
砂糖を入れようとしていたところだった。
「一通り部活動を見てきたようですね。
君の希望に沿う部活動は、決まりましたか?」
彼女は砂糖を戻して、姿勢を正し、
厳かな口調で氷室君に話しかける。
→1.いや…結構時間かけて見て回ったんですが…
2.自分のやりたい部活動は、見つからなくって…
「そうでしょうね。気に病むことはないですよ。
やりたいことは十人十色。この学園では特に、です。
では、新規部活動登録フォームを渡すので…」
――彼女の言葉を遮って。
→1.ですが、部活動以外でやりたいことはありまして…
「…?なんですか?」
→1.生徒会に所属させてください!
氷室君は実に礼儀正しく、美しいお辞儀をした。
数秒の間が開いて。
「…?生徒会?そうですか…」
束はコーヒーカップに口を付けて、
すぐ置いて、ものすごく驚いた。
「苦っ…!?えっ!?そんなまさか…!」
取り乱しすぎだが、いつもの彼女なら、
ここでコーヒーを零すくらいはやるのでかなりマシなほうだ。
「っ。それは(願ったり叶ったりですが)…ですが!
君は生徒会の仕事の内容紹介を見てましたか…?
よく見てなかったのならもう一度やるのでよく見ててくださいね」
その解決法おかしくない?
もう一回見せる、とかいう話じゃないよね?
1.それは大丈夫です!実演はもういいですー!
→2.どっちにしろ僕は書類仕事できませんので!
それセールスポイントにする!?
どういう神経してんのキミ!?
思考回路は…ダメだったそういえば!
「ええっ!?で、では何をするんです!?」
至極真っ当な返答に、氷室君は毅然とした態度で返答する。
1.その代わり、誰かと会話する役割は僕がやります!
2.書類仕事以外は大体全部やります!
「…っ!(私の一番苦手なことを…!!
氷室君が代行してくれる…!?)」
彼女にとって都合が良すぎないかい、氷室君!?
偶然にしては、ちょっと上手く行き過ぎだよねー。
束は、会長としての威厳をギリギリで保ちながら、
氷室君に返事をする。
「それは…(願ったり叶ったりで)困ります…。
その…(自信過剰な言い分で申し訳ないのですが)
私に気を遣って、とかじゃないですよね…?
それならば、止めておいたほうがいいと…」
会長は口下手である。常に一言足りない
心の中に思ったことは口に出すべきだと思うよ、私は。
→1.もちろん束会長を気遣ってます!!!
→2.ですがそれでやめることは理由になりません!!
ちょっと!やめてあげて!!
溢れ出る陽キャオーラを抑えてあげて!!
かわいそうでしょう会長が!!震えてるよ!!
「う…!それは、そうですが!!私のしたことなんて、
精々転びそうになった君を助けて学校まで案内しただけで、
(生徒会長なら)そのくらい当然というか…」
→1.一番の理由は、僕が望んだことです。
→2.もし不都合なら、いつでも免職してください。
ダメだ。強すぎる。
この子と舌戦はしたくないなー。
「…そこまで熱意があるのなら、私も止めません。
ですが、部活動はいつ辞めても大丈夫ですからね。
ホントにキツ…困難を伴う仕事ばかりですから」
会長は根負けして、氷室君を部下にすることを決めたようだ。
一番うれしいのは彼女本人のはずなのに、ここまで
粘ったのはひとえに、彼女の生真面目さによるものだろう。
"善人だが、それが理解されづらい"ことが彼女の欠点だ。
氷室君は友達が多い人だから、
それを目ざとく理解できるんだろうね。
「…まあ、明日までに仕事を出しますので。
今日はもう日が沈みます、早いところ寝なさい!」
→1.あれ?もう夕方…!?
2.ホントだ、空が暗くなってきた…
「こほん。氷室君、とにかく。
私は君が希望する部活動を決められて喜ばしいです。
生徒会長として、君のこれからの学校生活を支援することを、
私に心から誓わせてくださいね。それでは」
会長は厳かで、それでいて暖かい微笑みを湛えて、
威厳ある姿で会話を終えた。終えることが出来た。
…今更取り繕ってもかなり遅いと思うけど。
1.ありがとうございました、束会長!
→2.あざっしたー!束パイセン!
「…早速新しい懸念事項ですね…!!
君に生徒会役員が務まるかどうかも含め、夜のうちに考えます!!」
…氷室君、只者じゃないね…ホント…
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氷室君は寮に入る前に、
屋上においてある大時計をもう一度見た。
時計は1時を示している。
→1.やっぱりこの時計は役に立たないな…
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1日目・夜
君の行動は?
1.藤谷さんから、目覚まし時計借りてこようかな…
2.皆寝てるんだから、もう寝よう。そのほうが安全だ。
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あとがき
更新遅れてすみませんfgoのボックスイベもとい
宗教上の理由で一日空いてしまいました、
投稿時間も遅れてすみませんです。
今後は気を付けますハイ。
次回から、新章です。
「屋上の男」乞うご期待。
まだテンポ遅いですが、感想投票よろしくお願いします…!