入学式2
教室に入った俺達を待っていたのは2人の男性教師だった。
「出席番号順に席についてください」
俺らはその指示に従って席についた。すると教師の片方が話しだした。
「このクラスの担任になりました、甲斐侑久です。とりあえず1年間よろしくお願いします。」
なかなかに真面目な印象の教師だ。真面目すぎてちょっと不安になる…
「俺は副担任の岡部直義です。緊張してるかもやけど、よろしくね。」
こちらは関西弁の柔らかい雰囲気をした人である。あと10こくらい若かったら女子生徒の注目の的だっただろう。まぁ女子の数が少ないのだが…なにせ工業科の学校なのだ。当たり前のことだ。
「今日は僕たちの紹介だけで終わりの予定です。明日はクラスの人の紹介ということで1人ずつ前で喋ってください。それが終わったあとは、校内の案内と委員•係決めを行います。何か質問はありませんか?」
誰も質問などは無いようで反応を示さない。
「それでは終わります。気をつけ、礼…ありがとうございました」「「ありがとうございました」」
長い入学式の割に短く終わったHRだななどと考えていると
「帰らないのか」
と声をかけられた。
「うわ、ビックリした~輝流か」
「脅かしたつもり無いんだけど…てか帰らないのか?」
「帰るよ。ちょっと待っててくれるか?」
「分かった、早くしろよ?」
「ありがとう、じゃあ急ぐわ」
俺は教師のもとへ行き訪ねた。
「先生、機械科の女子ってうちのクラスの4人だけなの?」
「ちゃんと敬語を使ってください。それと、機械科の女子はうちのクラスの4人だけですよ。」
「ふーんありがと先生」
「女子と仲良くしてくださいね。あと敬語を使えるようにしてきてくださいよ。」
「ハイハイ、じゃーね先生」
「言ったそばから……はい、さようなら」
「待たせたな、輝流」
「いや、思ったより早く終わったな。てかそんなこと聞くために残ってたのかよ…」
「だって気になるじゃん!」
「別に…」
「そういや、お前はそういう奴だったな。とりあえず早く帰ろうぜ!」
「お前を待ってたんだがな…」
このまま俺達は帰路についた。
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