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二つ目のスキル

過去に書いた1話~3話を編集しました。


地文を増やし、情景描写もできるだけ増やしました。ですが、初心者なのでまだまだ下手くそです。もっと読者の方が想像しやすいような文にしたいです。


さらに、倒されたら粒子に変わっていた魔物を、死体が残るようにしました。食料問題のためです。


そしてトーストが焼けていることに対する設定への矛盾、これも直しました。


ローウルフを狩ることにも飽きてきた頃、変化が訪れた。倒されたら経験値に変わるだけだったのが今回は違って光の玉がローウルフから発生した。


「セカイ、これなんだ?」


「あぁ、やっと出ましたか。これはスキル玉といい食べればスキルが獲得できる優れものです」


「おぉ!マジか!ゲットできるスキルはランダムなのか?」


「いえ、魔物によって決まっています。倒した魔物が強ければ強いほどスキルも強くなります」


「ローウルフの場合はどんなスキルなんだ?」


「『瞬足』です」


「は~ん、わかったぜ。このスキルは足が速くなるとかそんな感じのスキルだろ?いいじゃん!」


俺が自信ありげに言うと、セカイはどこか籠った口調になる。


「……。スキル玉を食べれば説明が頭の中に表示されるのでそこで確認してください…」


「?足が速くなるんだろ?…まぁいいや。いただきまーす」


俺はスキル玉を口に放り込む。光を口に入れるのは変な気分だが、これが力になるのなら何個でも喜んで放り込もう。スキル玉を咀嚼していくと果実のような味であった。

おぉ!これはフルーティーな味わい…サッパリしていてちょうど良い甘さ!

口の中に甘さが広がると同時に頭の中にも情報が広がった。

お、なんか文字が見える。

えーと…なになに…


『瞬足』【コーナーで差をつけろ】…曲がるとき足が速くなる。



「…ん?なにこれ?コーナーで差をつけろ?曲がるときだけ…?」


セカイは申し訳なさそうな声になり説明をしてくれた。


「先程のスキル玉の説明に補足を付け加えると、倒した魔物が強ければ強いほどスキルも強くなりますし、スキルのドロップ率も高くなります。残念ながら、ベンが倒したローウルフは雑魚なのでスキルも雑魚という訳です」


セカイは『瞬足』の戦力外通告をした。だが、スキルの実を除けば初めて自力で手にいれたスキルなのだ。俺は『瞬足』に愛着がわいてしまっている。


「…いや、なにか使い道があるはずだ。絶対あるはずだ。『瞬足』を雑魚とは言わせないっ…!」


「『瞬足』なんて使えないスキルだ、というのはよくある話ですよ」


「セカイっおまえ瞬足さんなめんなよ!瞬足さん怒らせたら怖いからな!」


セカイは子供をあやすようにして答えた。

「はいはい、わかりましたよ。うーん、ローウルフのスキルが手に入ったので、次のスキルと言いたいところですが、今日は初日ってこともあるので終わりにしましょう」


「お!本当か!やっと休めるぜー!」


「では家に帰りましょう」




俺を除いた全ての時が止まった世界を歩いて帰る。森から町の近くまで来ると人の数が多くなっていくのが分かる。町に到着し、止まっている人々の間をすり抜けていく。右を向けば肉屋のおっちゃんがお客さんと喋っている姿のまま静止している。左を向けば地面に足を引っかけたのか転ぶ寸前の男の子がいる。体勢を直してあげよう。止まった町並みを楽しんでいると家の近くまで来ていて、あと二回の角を曲がれば到着だ。


「あ、そうだ!早速ゲットしたスキルを使ってやるぜ!」



全力でコーナーまで走っていく。そしてコーナーの寸前、スキルを発動させる。


「『瞬足』!!」


すると、普通に走っているときの五倍は下らない程のスピードでコーナーを曲がりきった。俺の脳内に「コーナーで差をつけろ」の文字がよぎった。


「は、はやい!なんだこれ!?俺が俺じゃなくなった気分だぜ!」


残り一つのコーナーも『瞬足』を使って曲がった。これはヤバい。超人になれた感じで病みつきになる…。




家に着き、飯を食べたら疲れが一気に押し寄せてくる。そういえば人生初の討伐だったからな…腹が膨れたら次は睡魔が襲ってきた。あぁ、ヤバいこれは…




気がつくと朝になっていた。まぁずっと朝なのだけれど。重い瞼を擦りながらセカイに話しかける。


「セカイ、俺どれくらい寝てた?」


するとセカイは、不快感を全面に出した口調になりつつも答えた。


「…七時間くらいです。…くさいです」


「へ?くさい?」


「はい、汗と獣臭が混ざってくさいです」


「あ、風呂入らずに寝ちゃったんだ。え、でもシャワーとかって…」


「石鹸持って川へgo」


「イエスマム」


俺はセカイに促されるまま川に行き、体全体を洗った。あれ?スキルに嗅覚なんてあるのか…?

まぁ、どうせスキル側の配慮なのだろう。


ギュルルゥゥ~

…腹が減った。そういえばなにも食べてないな。

確か家にハムがあったはず。朝食はパンにハムを挟んだトーストハムで決まりだな。俺は家に到着するとパンとハムを調理し、トーストハムを食べた。

「うーん、うまい!」


トーストと挟まったハムの肉厚がなんてボリューミーなんだ…シンプルイズベスト!!


「さて、食べ終えたら今日も経験値稼ぎに行きますよ」


「あぁ、とくに体に支障があるわけでもないしな」


昨日、ローウルフをあれだけ殴っておきながら俺の体が筋肉痛に襲われないのには理由がある。農作業である。

重い鍬を持ち、広大な畑の土をひたすら耕し耕し耕し、それはもう耕し続けた。するとどうだろう。ある程度には肩や腕などの上半身の筋肉が発達するのは間違いない。あれだけ嫌がってた農作業が冒険者に繋がっていたとは皮肉なことである。


あれ?待てよ、なんで俺、ローウルフ相手に素手なんだ…?倒せば経験値になる。そう、倒せさえすればいいのだ。剣でも弓でもなんだっていい。倒せさえすればいい。そう考えると素手ってすごく非効率的だよな…


「なぁ、セカイ、武器が使いたい。だって拳って効率的ではないじゃん?」


「誰が使ってはいけないと言ったのですか?逆に何故最初から使わなかったのか不思議でしょうがないです」


「え、だって最初にセカイが拳は武器って言ってたじゃないか」


「……。それで、どんな武器が使いたいのですか?」


「おい待て、話をそらすな。セカイが最初に言っt」


「ベンは剣の素質があるかもしれませんね」


「ちょ、俺の話を聞けよ…いや、もういいよ。俺の負けだ」

ん、負け?勝負だったのか?まぁいいや。そんなことよりも俺は剣が使いたい!


「でも、家には剣がないぞ…」


セカイは当然といった口調で「なら武器屋に行けばいいでしょう」


「え、でもそれって…」

犯罪ではないのか、という考えが頭を過る。すると再びセカイが口を開く。

「バレなければ犯罪ではないのです」

セカイの発した言葉からは俺を説得させるには十分なほどの力が溢れていた。


「よしセカイ、武器屋に行き剣を調達する」


「ベンの切り替えの速さ、嫌いじゃあないです。さあ、そうと決まれば今すぐにでも行きましょう」


家の近くに元冒険者のおっちゃんが経営してる武器屋がある。俺はそこに到着すると店の中を物色していく。

さびれて刃こぼれした剣から傷一つない紋章が刻まれた剣まで、剣だけでも様々な形や質がある。もちろん剣以外の武器も売っているが、今回の目的は剣なので他の武器には一瞥する程度だ。

俺は多種多様な武器の中でも一際目立つ剣が目に留まった。その剣は半ば廃材と化した武器と一緒に箱の中に入れられているが、明らかに他の剣とは違い自己の存在を主張していた。汚れてはいるものの刃こぼれはしていない。鞘には龍の紋章が刻まれている。



俺は剣を手に取り、近くにあった布で剣の汚れを落とした。

汚れを落として改めて剣を見ると、剣身は白銀に輝いており、雪のような冷たささえ感じる。剣身とは打って変わって、柄の部分は、黒という言葉ではいささか足りず、漆黒という言葉が適切だろう。


「これに決めた」




白銀と漆黒、その対となる色が俺を惹き付けたのか、あるいは、剣に眠る何かが惹き付けたのか。答えは後者なのだが、それを俺が知るのはもう少し後のお話。

更新スピードは遅いです。長い目で見ていただけると嬉しいです。

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