見学とは見て学ぶということ。
〜前回のおさらい〜
遂に魔法研究部…魔研部に入部したひかりとみずき。そこで魔研部の真の姿を知ることになった。
そこで出会った部長のほたると副部長のかえで。
4人の少女が集まり、「シーズンブレイカー」との戦いが始まろうとしていた。
4月15日
「壱戸瀬高校 魔研部部室」 PM15:00
この日は日中にも関わらず冬のような寒さであった。
「こんにちはー!」
ひかりが元気よく部室に入ってきた。
「こ、こんにちはー…」
その後にみずきが続く。
「あら、こんにちはー」
かえでが笑顔で挨拶する。するとほたるが
「よく来たな、突然だがシーズンブレイカーの存在が確認された。…まさにこの寒さが何よりの証拠だ。よってこれより任務に向かう、部室の奥に来てくれ。」
そう言ってほたるは部室の奥へ行った。その言葉と行動にひかりとみずきは驚く。
「「!?」」
「まぁ驚くのも無理はないわね、まず最初は私達の戦闘を見ていてもらおうと思っているの。」
そしてかえでもほたるの後に続いた。
「ひ、ひかりちゃん。えっと…私達もいこっか。」
「そ、そうだね…」
ひかりとみずきはかえでに続いた。
「魔研部部室の奥の部屋」 PM15:10
魔研部一同は暗い場所へ来ていた。
「ひえぇ…暗いよ…オバケ…でないよね…?」
ひかりが怯えながらみずきに抱きついている。
「あの、部長さん…シーズンブレイカー…ってどこにいるんですか?」
みずきが心配そうにほたるに問いかける。
「あぁ、その事なら心配ない。実はこの部屋から「裏世界」なる場所へ行くことが出来る。かえで、説明を頼む。私は「扉」を開く準備をするから。」
「了解、裏世界については、私から説明するね。えーと、まずそもそも「裏世界」って言うのは、私達が普段過ごしている世界…ここでは「表世界」って表現するね。まぁその表世界をを鏡に映した感じの世界なの。シーズンブレイカーは裏世界に蔓延っていて表世界から認識することはできない。つまり、自分達で裏世界に行って直接シーズンブレイカーを倒す。これが私達の任務よ。ちなみに裏世界には表世界の人間は居ないし、建物とかが壊れても表世界に影響することはないから、全力で戦えるわ。」
かえでの話を真剣に聞いていたひかりとみずき。
「なるほど…分かりました!」
「あの、かえでさん…」
「ん?どうしたのみずきちゃん。」
「えっと…シーズンブレイカー…と戦ってて、怖くないんですか…?」
みずきは不安そうにかえでに問う。
「怖い、かぁ……まぁ確かに、戦う以上は命の危険も無いわけではないよ。だけどね、私達が戦わなければ日本の…いや、世界の環境がおかしくなってしまうからね。だから怖いというより、使命感に追われている…って感じかな。」
しみじみとかえでは語った。
「そうなんですか…」
「おーい皆、裏世界に行くぞー」
ほたるが裏世界への扉を開いたようだ。
「…よし、それじゃひかりちゃん、みずきちゃん…行きましょうか!」
「り、了解です…!」
「はいっ!」
4人の少女は裏世界への扉に飛び込んだ。
「裏世界・壱戸瀬高校 魔研部部室」時刻不明
裏世界に到着した4人。ひかりはみずきの背中に乗っかっていた。
「…ここは…あっ、みずきちゃん大丈夫?」
「いたた…大丈夫だよ…それよりここって…部室?あ、でも色んなものが表世界と逆だ…」
裏世界を眺めている2人にかえでが話しかける、
「大丈夫?2人ともケガはない?」
「あっ、大丈夫です!」
その時、遠くで咆哮の様なものが聞こえてきた。
遠くに居たのは狼のような姿をしたシーズンブレイカー。すると目の前に立つほたるは仁王立ちで腕を組み、
「珍しいな…こんな早くに見つけられるとは…かえで!君は1年生の護衛に務めてくれ!アイツらは私1人で片付ける!」
そう言うとほたるは走り出し、シーズンブレイカーの元へ突撃していった。
「ほたるさん!?」
「大丈夫よ、ひかりちゃん。…2人とも、気をつけながら後を追いましょう。」
かえで、ひかり、みずきは固まってほたるの後を追い始めた。
「裏世界・壱戸瀬高校 校舎内」時刻不明
ほたるはシーズンブレイカーとの距離を徐々に詰めていた。
「そろそろか…?よし、「魔装展開」!!」
そう言うと、赤い光がほたるを包み込む。
光が消えるとそこには赤い鎧のようなものを着たほたるの姿があった。手には剣も持っている。
するとかえで達も合流した様で、
「おっと。もう始めてる。」
「あれは…ほたるさん…?」
「すっごーい!正義のヒーローみた…むぐぅ」
ひかりの口をかえでが抑えた。
「ひかりちゃん、静かにしてね?」
かえではとても笑顔だ。しかしどこか怖い。
「(かえでさん…なんかコワいですよ…?)」
みずきも怯えている様子。
「おっと。自分の役目忘れる所だった。よし…「魔装展開」!!」
すると、かえでを緑色の光が包み込んだ。
「ま、眩しいっ!?」
「すごい…綺麗…」
光が消えると、そこには緑色の鎧のようなものを着たかえでの姿があり、手には弓矢もある。
「よし、これで何かあっても安心ね。2人とも、ほたるの戦いっぷりをしっかり見ててね。」
「了解しました!」
「了解です…」
一方のほたるは、シーズンブレイカーと対峙していた。
「はぁぁああああっっ!!」
ほたるの剣がシーズンブレイカーを一刀両断する。シーズンブレイカーはうめき声をあげ、砂になり消えた。
「よし…かえでー!そっちは大丈夫だったか?」
「問題ないわー!…どうだった?これが私達の任務よ。勉強になったら良いんだけど…」
「なりました!ほたるさん、すっごくかっこよかったです!」
ひかりは目をキラキラ輝かせていた。
「はい…やっぱり先輩はすごいなって思いました…」
みずきもやや興奮気味。
「よかった、それじゃ帰りましょうか。」
するとかえでとほたるの鎧が消え、壱戸瀬高校の制服に戻った。
その後ほたるはかえで達の元へ戻り、裏世界の部室にある扉を開き、表世界へと帰っていった。
「壱戸瀬高校 魔研部部室」PM16:00
ひかりはまたみずきの背中に乗っていた。
「…いてて、あっ、みずきちゃんごめん」
「大丈夫だよ…ひかりちゃん軽いから…」
かえで、ほたるも無事帰ってきた。
「お疲れ様、ほたる。なかなかいい見本だったわよ?」
「そうか?それならよかった。…よし、最後に皆に言っておこうと思う。時には危険なこともあるかもしれない。だがそれは私がフォローする!だから…私についてきてくれ…。」
ほたるは深々と頭を下げた。
「ちょ、ちょっとほたる!?頭なんて下げないで!」
「そうですよほたるさん!私達はほたるさんについていきます!」
「わ、私も…頑張りますから…!」
「みんな…ありがとう…!」
日中の冬のような寒さはもう無く、春らしいあたたかな空気であった。
時間が僅かに遅れてしまいました…今回は眠気と戦いながらの執筆…?でしたので、日本語がおかしい所があるかもしれません。この先も2日に1回のペースは保っていこうと思います。