魔法研究部、略して魔研部。
〜前回のおさらい〜
ひかりの部屋の汚さに我慢ならなくなったみずき。2人は片付けを始めるが、「ヤツ」の乱入により片付けは中断された。
4月14日
「壱戸瀬高校 1ー4教室」PM 14:00
「んー!授業終わりー!」
ひかりが伸びをしながらみずきの机にやって来た。
「お疲れ、ひかりちゃん。」
鞄に荷物を詰めながらみずきが答える。
「ねぇねぇひかりちゃん!魔法研究部、行こ!」
机に手をつき、前のめりになるひかり。
「うん、そうだね。いこっか。」
荷物を詰め終え、立ち上がるみずき。
「れっつごー!!……って、部室どこ?」
「ひかりちゃんったら…」
「壱戸瀬高校 魔法研究部部室前」PM14:05
2人は部室の前で留まっていた。
「ここが部室かぁ。なんだかドキドキするね」
「そ、そうだね…」
「なんだか…扉を開けるのにも躊躇と言うか…何というか…ね、ねぇみずきちゃん開けてよ」
「えぇ!わ、私!?で、でも入部するんだし、扉を開けるくらいは…」
するとその時、突然扉が開いた。
「ひっ!」
「〜!!」
ひかりとみずきはお化けでも見たようなビビリよう。そして、扉を開けた張本人が話し出す。
「どうしたの?もしかして、入部希望者?」
そこに居たのは、優しそうなお姉さんだった。
「…へ?」
「…??」
ひかりとみずきは驚いたまま。
「…あ、あれ?どうしたの?」
これにはさすがに優しそうなお姉さんも驚く。
するとひかりがハッとして
「あ、わ、私達、魔法研究部に入部したいです!」
と、敬礼をしながら言った。みずきもそれに続くように、
「え、えと、1年4組の夏野…」
と自己紹介をしようとするが、それを遮るかのように優しそうなお姉さんが
「1年4組、春咲ひかりちゃんと夏野みずきちゃんよね。2人のことは、名前くらいなら知ってるわ。
あっ、私は冬城かえで。魔法研究部の副部長をやってるわ。入部希望者ね、大歓迎よ!」
と、今自己紹介をしたのが「冬城かえで」。魔法研究部の副部長を務めている、2年生。彼女は優しそうな見た目と包容力のある言わば「お姉さん」的存在なのだ。目と髪は緑色をしている。身長は165cmほど。彼女もまた、よいプロポーションをしており…
かえでの自己紹介を聞いてひかりとみずきはさらに驚く。
「えっえぇっ!?さ、さすが魔法研究部…!私とみずきちゃんの名前を知ってるなんて…魔法…!?」
「ひかりちゃん、それを言うなら超能力じゃ…」
するとかえでは、少し真剣な表情をして
「こんな所でもなんだし、中に入ろうか。」
と言った。かえでが部室に入り、ひかりとみずきもそれに続く。
「魔法研究部 部室」PM14:15
魔法研究部部室。内装は至って普通の会議室のような場所。特に変わった植物や生物は無い。
「部長ー、新入部員ちゃんが二人来たわよー」
というかえでの言葉に続き、
「こんにちは!」
「こ、こんにちは…」
と、ひかりとみずきが挨拶をする。すると奥から部長らしき女性が出てきた。その表情は真剣だ。
「春咲ひかり、夏野みずき。よくぞ来たな、とりあえず、そこの椅子に座れ。」
と言い、全員が座ったところでかえでが話し出す。
「私から紹介するね、彼女はこの魔法研究部部長、秋葉ほたるよ。」
と、かえでが紹介した魔法研究部部長、「秋葉ほたる」。彼女は部長にして壱戸瀬高校の生徒会長も務めている。学年はかえでと同じ2年。赤い髪に赤い瞳、性格は厳格で、ひょっとした事でも注意をするほど。ことわざをよく口にする。身長は170cmとなかなかの高さ。かえでとは高校からの仲である。
「かえで、ありがとう。改めて私が魔法研究部部長、秋葉ほたるだ。生徒会長も務めている。ちなみに、この魔法研究部は略して魔研部と呼んでいる。」
ほたるが改めて自己紹介をする。するとみずきが思い出した様子で
「秋葉…?えっ、あの入学式の時に前に立って話をした生徒会長、部長さんだっんですか!?」
と再び驚く。
「あぁ、だから名前も知っていたのですね!」
ひかりも納得した様子。するとほたるが
「まず質問だが、君たち…最近、季節と環境があっていないなと思ったことはないか?」
と、さらに真剣な表情で言った。するとみずきが
「あっ、入学式当日の夜、春とは思えない暑さでしたよね」
と言い、それに続きひかりも
「うんうん、その日「だけ」だったよね、凄く暑い夜だった!」
と言った。そしてほたるが腕を組み、
「なるほどな。やはり影響は広がりつつある、か…結論から言うとだな、近年、この日本の季節と環境が合わなくなっている現象が多発しているのは君たちも知っている通りだ。それには原因があってだな…季節を破壊する存在、「シーズンブレイカー」なるものが居て…まぁ突然言っても分からないだろうが…」
ほたるはあまりにもペラペラと話すもので、ひかりとみずきは何のことやら分からない、と言うような顔をしていた。
「ほたる、後輩ちゃんが困ってるじゃない。ゆっくり説明してあげないと。」
かえでがほたるに注意を呼びかけた。
「あ、あぁ…すまないが、かえで、説明を頼めるか?」
ほたるは焦った様子で話を止め、かえでの方を向いた。
「うん、後は私から説明するね。えっとまず、その「シーズンブレイカー」ってのなんだけど、後輩ちゃん達にわかりやすく言うと…魔物?でいいのかな、実は私達、その魔物と闘ってるの。ちなみに、8日の熱帯夜、あれもシーズンブレイカーが原因なんだけど、私達はそれを倒したの。だから9日からは春らしい気温だったってこと。」
ひかりとみずきは相変わらず驚いている。
「えっ、ま、魔物!?」
「そ、そんなもの…本当にいるんですか…?」
「えぇ。いるのよ。それで、私達が闘っている訳なんだけど…」
そこでひかりが話を遮り、
「分かりました!この部は魔法研究部という表の顔を持ちつつ、その魔物と闘う隠れたヒーロー的な存在ってことでいいんですよね!?」
と目を輝かせて言った。するとほたるが
「ふ…さすがは春咲ひかり。私の見込み通りだ。その性格、能力…君は「光の能力」を使う資格がある。入部をすれば、シーズンブレイカー…まぁ我々は略してSBと呼んでいるが…そやつらと闘うことになる。もちろん、安全ではない。命の保証もあるとは限らない。それでも、入部するのか?」
「はいっ、入部します!!」
「ひかりちゃん…!?」
ひかりは目を輝かせているが、本気だという顔をしている。するとかえでが
「ひかりちゃんは入部決定ね。みずきちゃんは…どうする?」
とみずきに問いかけた。
「わ、私は…その…えっと…」
するとほたるが静かに
「まぁ、無理に入れとは言わない。我々も命という重いものを背負って…」
と、突然みずきが
「入りますっ!!」
と大声で言った。普段から大人しいみずきが大声を出すのはなかなか無いため、これには幼なじみであるひかりも驚きを隠せない。
「み、みずきちゃん!!??」
「む、無理しなくてもいいのよ…?」
かえでも驚いた様子でみずきの事を心配する。
「入りますっ、入らせてくださいっ!!」
みずきは若干涙目で訴える。
「みずきちゃん…」
ひかりも、少し泣きそうになっていた。
するとほたるが少し笑い、
「なるほど。まぁ私の読みは外れていなかった…夏野みずき!君のその意思の強さ!「水の能力」を扱う資格がある!『武士に二言無し』、魔研部再スタートだッ!!」
と、元気いっぱいに叫んだ。
「「「お、おぉー!」」」
魔研部の部員達は続いて叫んだ。
遂に魔研部に入部したひかりとみずき。しかし待っていたのは正義のヒーロー的な展開。この先、SB…シーズンブレイカーと闘っていけるのだろうか。
今回で4話目となりましたが、ここで訂正をします。まぁ訂正というか…何というか分からないんですがまぁ、3日に1回、というのを2日に1回、に変更する…ただそれだけでございます、
…えー、以上でございます。これからもよろしくお願い致します。