黒光りの生命力オバケ
ひかりの部屋が汚いことに我慢ならなくなったみずき。2人は片付けを始めるが…
4月8日
「ひかりの部屋」 PM 13:00
「よし、それじゃあ片付けを始めようか」
みずきが仁王立ちで仕切る。
「えー…仕方ないなぁ。」
ひかりは渋々掃除を始める。
「まったく…自分の部屋くらい自分で掃除しなきゃ。このままだと変な虫とか湧いちゃうよ?」
ゴミを片付けながらみずきが言う。
「…みずきさん、それはフラグですか?」
ひかりが悪い顔をして言う。
「えっ?フラグ…?それはどういう…」
その瞬間、みずきの片付けているゴミの中から…
素早い動きの「黒光りのG」が…!
「ひっ…!」
みずきの顔がみるみるうちに青ざめてゆく。
「おぉ、見事な回収っぷりですねぇ。」
ひかりは黒光りのGに興味津々。その間も黒光りのGは部屋中を走り回る。そしてみずきに向かって走り出した!
「い、いやぁ!こ、こないでぇぇえ!!!」
みずきは涙を流し慌てふためき、ひかりの家から出て行ってしまった。
「あらら…いっちゃった。そういえばみずきちゃんって虫が苦手だったなー…」
すると黒光りのGはみずきの後を追うようにひかりの家から出て行った。
「あっ…」
ひかりは部屋に1人取り残された。
「…なんか…にぎやかだったなー。まぁいっか!片付けなんてやめよーっと!」
するとひかりはあくびをして、
「んー…なんか眠たくなってきたなー…寝よう。」
ひかりは布団に潜り込み、寝息を立て始めた。
この日のひかりはこれ以降目を覚まさなかった。
一方のみずきはと言うと…
「みずきの部屋」 PM 14:00
「はぁ…もうほんと嫌だぁ…あんな所で会うなんてぇ…もう…虫なんて…」
部屋のベッドにうつ伏せになり、ブツブツと文句を言っていた。
「ひかりちゃん…部屋の片付け出来たかな…」
そう言うとみずきは、すやすやと眠り始めた。
…その日の夜は、夏の様な暑さであった。