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御近所のドラゴン一家  作者: さゆき
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そんな情報は開示して欲しく無かった

同時進行で、同じ世界を舞台にした『異世界転生した~』も更新してます。よろしければご覧下さいませ。

『タームス公爵家三代の悲願』

ミザナリアナ姫の祖父であるタームス現公爵は、臣下へと降りた王弟を父に持ち、同い年の王太子を支えその右腕となるべしと育てられた、自他共に認める王国第一の忠臣である。

王太子の婚約者として、まず妹が、次には彼の五女が婚約者に定められたが、成婚には至らなかった。


二人の姫君になんら瑕疵は無かった、六代も前に王家に入ったエルフの血が、王太子に強く出て、公爵の妹姫が適齢期になった時に王太子の外見(正確には肉体年齢)はせいぜい5才、次に念には念をいれて姉達を飛ばして一番末の五女を婚約させたが、王太子は12才前後の外見だった。


王族貴族の婚姻であるから、30代40代の未亡人に16才の花婿というのも珍しくは無い、戦乱の時代だと3才の花婿の下に、赤ん坊の花嫁が乳母に抱かれて輿入れした例もある。


まして王太子は外見は若いが中身は公爵と同い年、五女の時には輿入れさせても良いのではないかという意見もあったが、女性に対して大変失礼な話しだが、王太子が所謂“夫の勤め”を果たせるようになった時に、妻の方は間に合うのだろうか。という問題である。


これは、母体の安全上大変真面目な話しなのだ。


女性にとって出産は自分の命にも関わる大仕事であるが、治癒魔法は陣痛には効かないのである。陣痛は子供を体外に送り出す為に必要な痛みなので、怪我とは違うものとされて、痛み止めの麻痺魔法も出産の邪魔をするからと禁じられている。


未来の王妃として散々待たせた挙げ句、婚期を逃させる訳にはゆかず、姫君達との婚約は二代に渡って解消された。


かくして、公爵家のみならず国中の期待を背負って、三代目となるミザナリアナ姫は国王の婚約者になったのである。




その姫君が、ある日突然自分の執務室に現れ、護衛の武官を薙ぎ倒し、自分の次男に『誘拐されてここに居る』と告げられた、シグラス辺境伯の気持ちはいかばかりか。


「領地を没収されて転封されても、不思議ではないのう」

「さすがにそれは目立つので出来なかったそうですけど、家が傾く位にスッゴイ毟られたそうですよ。」

侯爵と同等とされる辺境伯爵家が傾く位……


「そういえば、シグラスに『王国軍の』新しい砦が建造されましたよね、貴族領地内なのに、」

「そうそれ、土地、建築費はもちろん、今現在も維持費と騎士達の消費する食糧に武器防具、騎獣その他一切合切ぜ~んぶシグラス辺境伯爵家が、負担してます。表向きは忠臣の鑑?」

あぁ、財務大臣は大喜びだなぁ、未来の王妃に財政に貢献してもらって。


それでも全力で無かった事にしなきゃいけないのは解った、諸外国に今でも『二代続けて袖にされた国王』とか言われている。でも別件で良いから幽閉しろよ、馬鹿息子を。放置してると国庫に臨時収入が入るぞ。




「それにしても、治癒術師達の間に秘密の情報網が有るって噂は本当みたいだな?」

騎士団、神殿、大きな街から村々まで治癒術師はどこにでも居るからな。

「うむ、だが、神殿の権域を侵しておらんか?」

「大丈夫ですよミザナリアナ様は司祭の資格もお持ちです、何より陛下のことを愛してらっしゃるんですから!」

いやいや、それ全然答えがつながっていないぞ。





神学校とは名ばかりの花嫁学校なんぞ、国内に幾つもあるはずなのに敢えてシグラス修練所を選び。

王宮神殿付きの治癒術師となり(この時点でかなりおかしい)。

半年後にはなぜか宰相秘書官の末席に名を連ね、現在は貴族院監査室次席(さすがに女性はトップに立てない)。


法衣貴族達からは『生まれる前からの婚約が無ければ、嫁の貰い手なんか見つからない』と陰口を叩かれ、国民達にまで『王妃の座を蹴飛ばして宰相になるのではないか?』と心配されている女傑は、実は愛する国王の為に日々、目に見えない嫁入り道具を殖やしているのである。





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