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御近所のドラゴン一家  作者: さゆき
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イロイロ職務上の秘守義務というヤツがだなぁ…

話しがドラゴンから脇道に逸れてますが、基本はドレイク隊長がひたすら苦労するお話しなので、このまま勢いで、

「シグラス辺境伯領内には、シグラス神学校修練所が在るのよ、私もミザナリアナ様もそこで治癒術師の修業をしたの。」

 シグラスと付くのは単なる地名だ、貴族領内に在っても神殿が管轄している。


「国境沿いのわりに、町そのものの治安は悪く無かったけど、度々若い娘がさらわれてお嫁に行けなくなるような目に遭わされたのよ、幸い口封じで殺されたり、家族が探せ無いような遠くに売り飛ばされたりしなかったけど、それだって顔を見られても被害者が訴えを起こさないと高を括ってたからよね。」


 呆れた事に被害者が連れ込まれたのは領主館の敷地内だったそうだ。

 まあ、跡取りのスペアでしかない冷や飯食いに自由に出来る別荘の類が無かっただけらしいが。


「まさかそれでミザナリアナ様が?」

 被害者になったのか?と、太守が青ざめる。


「結果として肋骨3本と両腕骨折でしょ、あと顔も殴られて歯も何本か折れたそうよ。馬鹿息子が。」

 当時十代の少女が、大の男を、半殺し……

 未婚の貴族令嬢だと、別の意味で縁談に差し障りが……



 シグラス神学校は国内でも大変修行が厳しいことで有名な神学校だ。

 まず修練士は母神に我が身を捧げている以上、在籍中は家名を名乗る事は許されない。厳然たる身分制度のあるこの国でもこれは決して建前では無い。

 そして邪神と戦う母神の僕は、治癒術の修行だけではなく武術も一定以上の基準に達しないと神学校を卒業出来ない。

 一通り武器の扱いも教えられるが、特に素手の闘いに重きを置いている。

 装備している杖で戦って、杖が折れたら後の治療に困る、ということらしいが。


 その『一定以上の基準』が騎士団勤めのドレイクから見てもおかしい、

 騎士団付きなら後方支援、パーティーなら後衛、神殿勤めなら街から出ることもあまりないはずの治癒術師の見習い達に魔獣相手に独力で勝てと要求するのだ。

 魔獣の討伐難易度は王都周辺が低く、国境に向かって高くなる、シグラス神学校は国境沿いの立地だ、卒業試験も当然『神学校周辺で魔獣を調達』することになる。


 見習い修練士の服を着ていたら町のゴロツキだって手を出さないが、修練服を脱いでわざと誘拐され、シグラス家の次男を叩きのめしたミザナリアナ修練士は領主館内を駆け上がり、公爵令嬢として当然面識のあるシグラス辺境伯を探し出し、彼に次男の犯罪を告発し被害者への賠償を要求した。


「まてまて、それでどうしてアイツは未だにそこらをウロウロしているんだ?」

 普通なら病気療養を理由に監禁、頃合いを見て病死の流れで処理される。


「被害者は平民、ミザナリアナ様は未遂の上に過剰防衛?になるのよね。」

 ミザナリアナ様の誘拐は過剰防衛で相殺、後は双方表沙汰にしたく無かったということか、

「女の人は後の風評被害が大変なのよ、返り討ちにしても変な目で見られるし!」

 いやいや、柔な貴族のお坊ちゃんなら『返り討ち』だけでドン引くだろうが、DV傾向の有る夫に実力で反撃出来る妻、見るよ!怯えた目で。


「そのような大事を今まで知らなんだとは」

 執務室の机にガックリと突っ伏して太守が嘆く。

「仕方がないですよ、『タームス公爵家三代の悲願』は国中知らない者はいませんし。」

 他の神学校卒の女性達の話題はドレイクでもちらほら漏れ聞く、ミザナリアナ-タームス公爵令嬢の場合は国の威信がかかっている、総力をあげて隠蔽したのだろう。




 彼女は国王の婚約者だ。

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