72/130
先輩?
「勉強も大事ですが、本ばかり読んでいるのはお身体に良くありません。少し散歩なさってはいかがですか?」
カーラさんにそう言われて、私はキュアーと一緒に竜舎に行くことにした。
カーラさんに付き添われて竜舎に行くと、竜たちは声を上げて迎えてくれた。
私はキュアーをバスケットから出して、竜舎の中を飛び回るのを見守った。
しばらくすると、キュアーが戻ってきて私の肩に止まった。
「キューちゃん、もういいの?」
「キュ」
少しはキュアーの運動にもなったかなと思って、私は竜たちに挨拶しようと足を踏み出した。
「あれ? 君もしかして、グレイス様に弟子入りしたって子?」
そんな声が聞こえて振り返ると、竜舎の入口に少年がいた。
女の子みたいに華奢で可愛い少年だ。年はたぶん一つか二つ上の、成人前だと思う。
そんな少年が近付いて来て、私をジロジロ見た。
……なんか、感じ悪い。
「たしか、リアとかいう名前? それともリサだっけ?」
「……リゼです」
何こいつ、と思いながら答えた。
「ああ、そうそう。リゼだっけ」
そう言うと、その少年は偉そうに顎をそらした。
「僕はウィンゼル。先輩だから、ウィンゼルさんと呼ぶんだぞ」
……それがウィンゼル“先輩”との出会いだった。




