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竜?
翌日。朝ご飯を食べてから、セイジさんの所に行った。
セイジさんは村の子供たちに読み書きを教えている。皆にキューちゃんを見られないよう、バスケットの蓋をしっかり押さえてからセイジさんに声をかける。
「リゼ、どうしたんだい?」
「ちょっと相談したいことがあるんですけど…」
セイジさんはターナさん(奥さん)に言ってから、部屋に案内してくれた。入ってすぐにバスケットの中のキューちゃんを見せると、セイジさんは驚いて声を上げた。
「竜の子じゃないか!」
「…竜?」
――このとき初めて、キューちゃんがトカゲではなく竜であることが分かったのだった…。