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セラージュ城?
王都に着いて、すぐにバスケットを開けてキュアーの様子を見た。
思った通り、眠っていたのでホッとした。
再びバスケットの蓋を閉めると、改めて着いた場所を見回した。
着くまではキュアーのことを考えていて、景色を楽しむ余裕がなかったけど、こうして改めて見ると、とても綺麗な所だった。
「ここがセラージュ城だよ」
白亜の城の中庭らしき所で降りて、ライドさんが言った。
「あとでセラージュ湖に案内する」
グレイス様がそう言った。
セラージュ湖というのは、タッセオ山の麓にある湖で、竜の集まる場所だと聞いている。
そこに行けば、たくさんの竜に会えるだろう。
不安が期待に一気に変わり、私の気分は高揚した。
「まずは部屋に案内しよう」
グレイス様はそう言って、ラファンをライドさんに任せて歩き出した。
私は遅れないように慌てて付いて行った。




