大食い?
母が戻ってきたので、私はキュアーに餌をあげることにした。
その様子を二人がじっと見ているので、緊張して動きがぎこちなくなってしまった。
「キューちゃん、お待たせ」
「キュ」
鳥肉をあげると、美味しそうに食べ始めた。
その後は、木の実などを丸ごとあげていった。
「小さいのに、ずいぶん食べるんだな」
ライドが感心したように言った。
グレイスも、ああ、とうなずいた。
「身体のわりに食べるな」
身体と同じくらいの大きさの、芋を食べてるのを見ながら、やっぱりキュアーは竜としても大食いなんだと納得した。
キュアーは食べ終わると排泄を済ませて、それから寝てしまった。
その様子を、二人は興味深そうに観察していた。
「あの……竜にはいつ会いに行くんですか?」
見られているのが居心地悪くて、気になっていたことを訊いてみた。
「君さえ良ければ、これから会いに行ってもいいが……」
「行きたいです!」
眠るキュアーを胸に抱いて、私は期待のこもった目で二人を見た。
「……わかった。これから行こう」
グレイスがそう言って立ち上がった。
「竜を怖がらないなんて、珍しいね」
ライドはそう言って苦笑した。
(野良の竜なら怖いかもしれないけど)
騎獣なら危険はないだろう。それに、竜騎士と竜術士がそばにいるのだから、大丈夫だと思う。
キュアーは眠ってしまったけど、仲間の竜に会ったらどんな反応をするのかなと、それも楽しみだった。