キュアーとルゥイ?
お茶を飲み終わって、私はガルドさんの家に行こうとしたけど、今度はラナのお母さんに止められた。
「あなた、お昼ご飯食べてないそうじゃない」
「え! そうなの?」
ラナは驚いて「すぐに食べられる物を用意するわね」と言ってくれたが、私は慌てて断わった。
「私、お腹すいてないから」
「駄目よ。ちゃんと食べなくちゃ」
「そうよ。ますます元気なくなっちゃうわよ」
ラナのお母さんとラナが、そう言って二人で引き止める。
そうこうしているうちに、今度はルゥイが帰ってきた。
「え! 竜の子供!?」
ルゥイはキュアーを見ると、歓声をあげて駆け寄ってきた。
そして瞳をキラキラさせてキュアーに触れた。
「キュ」
「わあ〜可愛い!」
ルゥイはすぐにキュアーに夢中になった。
その間にラナたちが食事を用意してくれたので、私は今すぐ出かけるのは諦めた。
私が食事している間、ルゥイはキュアーに色々食べさせていた。
「キューちゃん、これも食べるか?」
「キュ」
「ルゥイ、キューちゃんはあげただけ食べるから」
私はルゥイに声をかけたけど、彼には聞こえてないようで、キュアーに食べさせ続けていた。
私がこの家の食料の心配をしていると、ラナのお母さんが「大丈夫よ」と言った。
「あなたたちに貰った物もあるから、少しくらいなら平気よ」
私と殿下がオスタ村で貰った食料のほとんどを、泊めてもらったお礼にラナたちに渡していた。
それでも、キュアーに食べさせ続けたら足りないと思う。
私はキュアーのためにも食べ過ぎは良くないからと言って、ラナのお母さんに、ルゥイがこれ以上食べさせるのを止めてもらった。
ルゥイは不満そうだったけど、食べさせるのを止めてキュアーと遊び始めた。
木の枝にじゃれつかせようとするルゥイを見ながら、彼にも竜術士の才能があるかも、と私は考えていた。