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お茶を飲んでから?

「キュ」

 泣いている私を慰めるように、キュアーがぐりぐりと頭を擦りつけてきた。

(キューちゃん……)

 私はキュアーの身体を撫でた。

 そうしているうちに段々と気持ちが落ち着いてきた。


(泣いてばかりじゃ駄目だ)

 私は涙を拭くと、キュアーを抱えて布団から出た。


「キューちゃん、ごめんね」

「キュ?」

 私はキュアーを巻き込んだことを謝った。

 キュアーは分かってないみたいだけど、とにかく謝りたかったのだ。


(グレイス様にも謝らなきゃ)

 グレイス様たちはガルドさんの家にいるはずだ。

 私はキュアーを連れてラナの所に行った。



「少しは元気になったみたいね」

 私の顔を見てラナが言った。

 お茶を入れてくれようとするラナに、私は「ガルドさんの家に行ってくるから」と言った。

 しかしラナは「そんなに急いで行かなくてもいいでしょ」と、お茶の用意を続けていた。


 私は勧められるまま椅子に座って、お茶を飲んでから出かけることにしたのだった。



 お茶を飲みながら、私はラナと色々な話をした。

 ラナはキュアーに興味津々で、何でも食べると聞くと「ちょっと待ってて」と言って、食料を漁りだした。

 そして芋を手に戻ってきた。


「キューちゃん。これ、食べる?」

「キュ」

 キュアーは、ラナが差し出した芋に抱き付くようにしてかじりついた。


 その様子をラナと二人で微笑ましく見つめていると、扉が開いてラナのお母さんが戻ってきた。


「おかえりなさい」

「ただいま」

「この芋、キューちゃんにあげちゃったけど、構わないよね?」

「あら、そのコ、キューちゃんていうの?」

「うん。可愛いよね」

「可愛いわね」

 ラナとラナのお母さんは同じように微笑んで、芋にかじりついているキュアーを見ていた。


 それを見て、ラナはお母さん似だなあ、と私はぼんやり思っていた。


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