表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
122/130

失敗?

 私は泣きやむと、グレイス様の顔を見上げた。

 数日ぶりに見るグレイス様はどこも変わったところはなさそうだった。

(ああ、帰れたんだ……)

 私は安堵でまた泣きたくなってしまった。


 ――その時、殿下がグレイス様に声をかけた。

「グレイス、どうやってここに来た?」

(え?)

 ここに来た、とはどういうことだろう。

 私は嫌な予感に血の気が引くのを感じた。


「……殿下とリゼが突然消えたとの報告を受けて、竜舎にて捜索を行っておりましたところ、キュアーに異変が起こり……気がついたらここにいました」

「……じゃあやっぱり、グレイスたちがこっちに来ちゃったんだね」

「……ここは、セラージュ湖ですね」

「うん。だけど、大昔の、セラージュ湖なんだけどね」

「大昔の?」

「うん。私たちはデュマの力で過去の世界に来てしまったみたいでね」

「過去の世界……」

「信じられない?」

「いえ……」

 そう言うと、グレイス様は考え込むように黙ってしまった。


 私は自分が失敗したことを悟った。

 しかも、元の時代からグレイス様とキュアーを引っ張り込んでしまったのだ。


(きっとあの時だ……)

 あの時、キュアーの気配に手を伸ばしたから、きっと引き寄せるようなことになってしまったんだ。

(なんてことをしてしまったんだろう)

 私は自分がしでかしたことに青ざめた。


 手の中のキュアーの存在だけが救いだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ