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懐かしい夢?
ルゥイの家に行くと、彼らは驚いた顔をした後、笑顔で迎えてくれた。
事情があって家に帰れなくなったと言うと、ルゥイのお母さんが「うちに泊まればいい」と言ってくれた。
それで、私はルゥイのお姉さんの部屋、殿下はルゥイの部屋に泊めてもらうことになった。
ルゥイのお姉さんはラナという名前で、優しくていつもニコニコしている人だった。
ルゥイより二つ上で、私より一つ上の16歳だそうだ。
ラナは元気のない私を気遣ってくれて、あれこれ世話を焼いてくれた。
彼女は「今夜はゆっくり休んで」と、早い時間に床につくように勧めてくれた。
疲れきっていた私は、勧められるままに布団に入った。
考えると悲しくなるから、ただ目を閉じて何も考えないようにした。
眠りはすぐに訪れた。
懐かしい夢を見た。
家族で食卓を囲む夢だ。
姉がキュアーに自分の嫌いな物を食べさせている。それを母が注意して、父はそんな母を宥めている。
目が覚めたとき、夢だと分かって涙がこぼれた。
ラナはまだ眠っている。
私は彼女を起こさないように、布団の中で声を殺して泣いた。