表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
113/130

休憩?

 私は同調を開始しながら「治療しますね」と言った。

「ああ。よろしく頼む」

 男の人がそう言うのを聞きながら、術式を編んでいった。



 治療が終わると、男の人は「ガルドだ」と名乗った。それから「ありがとう」とお礼を言われた。

 ルゥイからもお礼を言われ、私は「次は?」と訊いた。


「少し休んだらどうだ」

「そうだよ。疲れてるんじゃないのか?」

 ガルドさんとルゥイにそう言われたが、私は疲れている感じはしなかった。


「疲れてないから大丈夫。それより、ほかにも怪我してる人はいるんでしょ?」

「いるけど、後はそんなに急がなくても大丈夫だから」

 ルゥイがそう言うので、私はガルドさんに勧められてお茶を飲む間だけ休むことにした。



 お茶をご馳走になってから外に出ると、向こうから殿下とソンニがやって来るのが見えた。

 私は自分だけ休憩していたのが恥ずかしくなった。


「すみません、殿下」

「何で謝るの?」

「私だけお茶をご馳走になっちゃって……」

 そう言ったところで、ルゥイに「俺が休むように言ったんだ」と庇われた。

 殿下は、そんなことと気にしてないようだ。


「ここはもう治療したの?」

「はい」

「じゃあ、重傷の人はもういないね?」

 殿下がそう言うと、ルゥイが「ほかに、薬師の婆さんの所にも怪我人がいる」と言った。


「その人たちを治すと、薬師のお婆さんの仕事を奪ってしまうことになるんじゃないの?」

 殿下がそう言うと、ソンニが「そうだね」と言った。

「あとは薬師の婆さんに任せて帰ろうよ」

「帰る前に、家に寄ってよ」

 ルゥイがそう言って、私の腕を引っ張る。

 殿下は苦笑して、じゃあ君の家に行こうか、と言ったので、私は約束が守れて良かったと思った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ