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迎え?
キュアーを拾ってから二月が過ぎた頃。
森に大きな竜が舞い降りた。
それに気付いた人が声を上げ、村は一気に騒がしくなった。
私と家族も家から飛び出し、竜がいるという方向を見た。
しかし、セイジさんの一言で、すぐに騒ぎは収まった。
「大丈夫だ!あれは騎獣だ!」
竜には人が乗っていたらしい。
よく分かったなぁ、さすがセイジさんだと皆が感心していると、森から二人の男が現われた。
揃いの服を着ている、見たことのない人たちだ。きっとあの竜に乗って来たのだろう。
「ライド!」
セイジさんが声を上げた。そして二人の男に駆け寄って、その片方に話しかけた。
「急に、どうしたんだ?」
「どうしたじゃないだろう!」
ライドと呼ばれた男が言うと、もう一人が前に出て言った。
「竜の子供はどこだ?」
その言葉にドキッとする。
(キューちゃんのことだ!)
まさかもう、迎えに来たのだろうか。まだ大きくなってもいないのに。
嫌な予感に青ざめながら、私はセイジさんたちを見つめていた。