遠い島から?
デュマからは、まずどこから来たのかを詳しく聞き出すことになった。 聞き出すのはウィンゼルの師匠のドーソン様だ。私とウィンゼルは、側で見ていることになった。
キュアーは部屋で仕事中のグレイス様に預けてきた。質問の邪魔をされると困るからだ。
ドーソン様が聞き出して分かったのは、デュマは遠い所に住んでいたということ。
そこは小さな島だったということ。
その島に竜はデュマだけで、ほかに小さな生き物がたくさん住んでいたこと。
その中には人間もいて、島の人間はデュマに近付かなかったのに、島の外から来た人間たちがデュマを襲ったということ。
その人間たちに傷付けられて怪我をしたということ。
だからデュマは襲ってくる人間たちを殺したということ。
そして、どこかに逃げようと思ったらこの大陸に来ていたこと。
そして私たちに出会ったこと。
それを聞き出して、ドーソン様とウィンゼルは戻って行った。
私はデュマに餌を与えるために残っていた。
デュマは私以外の人から与えられた餌は食べないのだ。
大人の竜は一日から三日の間に一度しか食事をしないので、餌を与えるのは私の都合の良い時でいいと言われている。
だから弟子の仕事をしながらでも負担にはならない。
でも相変わらずキュアーの対抗意識がなくならないのが困りものだった。