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デュマ?
銀色の竜は城に置いて、色々聞き出すことになった。
名前がないと不便なので、とりあえずデュマと名付けられた。デュマの町に行く途中で出会ったからという理由だ。
デュマに一番気に入られているのは私なので、私が担当になった。
しかし、そのことに不満なのがキュアーだ。
デュマが私に甘えてくると、対抗するように甘え始める。
そんなキュアーも可愛いけど、できれば仲良くなってほしい。
私はキュアーに言い聞かせた。
「キューちゃん。デュマと仲良くしようね?」
「キュゥゥ」
キュアーが不満気に鳴く。
「キューちゃん、デュマのこと嫌いなの?」
「キュ」
「なんで?」
「キュウウ」
キュアーは理由らしいことを言わない。けど、たぶん私が気にかけているからだろう。つまりヤキモチだ。
「私はキューちゃんが一番好きだよ」
「キュ!」
キュアーが嬉しそうに頭を擦り付けてくる。機嫌は直ったようだ。
これからはキュアーを今まで以上に可愛がろう。そうすればデュマへの敵意も薄らいでいくだろう。
その時は、私はそう思っていた。