シュラ
お待たせしました(^-^;
遅れてすみませんでした(+_+)
ピコを抱き走り逃げた愛梨は森をさまよい逃げていた。
「愛梨…これからどうするの…?」
不安げな顔で聞いたのはピコ。
「…分からないけど…逃げよう…!」
愛梨たちはひたすら森をさまよい続けた。
バシュッ バシュッ
「ガァァ…ッ!」
ドシーンッ!!
愛梨たちの目の前で、三メートルはあるモンスターとプレイヤーの戦いが繰り広げられていた。
「愛梨!! 巨獣族の『オーガ』だ! 隠れてッ!!」
「…ッ!! ピコはここにいてッ!!」
「え…ッ!?」
愛梨は草陰にピコを置いて、戦いを繰り広げている『オーガ』とプレイヤー達の間に割って入った。
「やめて…ッ!!」
「なんだお前ッ!?」
「ガァァァッ!!」
愛梨が割って入るも、すでにオーガが持つ斧は振り上げられ愛梨とプレイヤー達に振り下ろされようとしていた。
「やべぇッ!! 避けろッ!!」
「でもあの子は…ッ!?」
「間に合わねーッ!!」
「ガァァァッ!!」
ブオンッ!!
ドッシーーーン!!
愛梨めがけ巨獣オーガの斧は振り下ろされた。
「愛梨…ッ!!」
草陰に隠れて見ていたピコは、いてもたってもいられなくなり目を瞑ってしまった。
「あの子…やられちゃった…?」
「わ、わかんねぇ…ッ。」
辺りは砂埃で何も見えなくなっていた。
「ガァァァ……ッ!?」
オーガは振り下ろした斧を振り上げようと腕に力を込めるが、斧はピクリともしなかった。
辺りを目くらましていた砂埃がうっすらとし、斧先が見えてきた。
「お、おいッ!! アレ…ッ!!」
「アレッて…『覇魔神ヴェルオス』…ッ!?」
「なんで…ッ!? こんなとこに…!?」
愛梨に向け振り下ろされた斧はヴェルオスが片手でつまみ受けていた。
「ヴェルオス…さん…?」
「バジルに言われたんだよ、『しばらくあの子を見守ってやれ』ってさ。」
「バジルさんが…?」
「とりあえず…俺の容姿には驚かないのね…こういう系は大丈夫なんだ? 良かったよ。」
「え…?」
愛梨はヴェルオスの顔しかよく見ていなかった、ヴェルオスの顔は人間と変わらないような顔立ち、金髪で尖った耳にはピアス、ただ顔には模様みたいなタトゥーが入ってある。身体はまがまがしく、羽根が生えており、尻尾も生えていた。
「ちょっと…チャラそうな……うわッ!!」
愛梨はヴェルオスの胸や腹などをよく見てみると、体の中から人の顔のようなものが無数に浮き出ていた。
「やっぱ引くよね~」
「はい…でも…蛇よりはマシです…。」
「あはは、なら良かったよ。」
「ガァァァッ!!」
オーガは両腕で斧を持ち、振り上げようと力を入れた。それを見たヴェルオスは斧の刃をつまむ指をパッと放した。
「ほい。」
ブオンッ!!
「ガァァァッ!?」
斧は勢い良く振り上げられ、勢いに逆らえずオーガは後ろ倒れた。
ドシーン…!!
「さ、行こうか。」
「は、はい!」
愛梨とヴェルオスは草陰に隠れていたピコの元に駆け寄った。
「ピコ!」
「あ、愛梨…!! 無事でよかった…!!」
ピコは愛梨の胸元へ駆け寄り飛びついた。
「ま、待て…ッ!!」
三人のプレイヤー達がヴェルオスに向け構えた。
「あ……ん?」
「すぐ済む…ワシに任せておけ…。」
「あ、ああ、じゃあ頼むよ。」
「ヴェルオスさん……誰とお話してるの?」
愛梨は独り言のようにぶつぶつと話すヴェルオスに首を傾げた。
「愛梨、ヴェルオスでいいよ、それに、バジルもさ、『さん』付は堅苦しくて嫌になる。だよな? シュラ爺ぃ?」
「…爺言うな。お前はすぐバジルや俺を年寄り扱いするがな……」
「いいからさっさとやっちゃいなよ。」
「……。」
「ヴェルオス…?」
不思議がる愛梨をよそに、ヴェルオスの背中から炎が噴射され、プレイヤー達は一瞬にして消えてしまった。
「嘘……ッ!?」
驚愕する愛梨にヴェルオスは言った。
「プレイヤー達は死ぬと『拠点』に戻される、死んだ訳じゃないから心配はいらないよ。」
「え…ッ!? そうなんですか…ッ!?」
ヴェルオスは愛梨に背を向けた。
「…ッ!?」
「やぁ、どうも。」
愛梨はヴェルオスの背中を見て再度驚愕した。
「り…竜…ッ!?」
ヴェルオスの背中には竜の顔が付いていた。竜は白くて長い髭をゆらゆらとさせながら言った。
「人間…プレイヤー達は何度でもやり直せるのにワシら『モンスター』にやり直しは効かない…嫌な世界じゃよ…。」
「仕方ねーだろ、『モンスター』っつうのはやられるのが使命なんだからよ。」
「愛梨はどう思いかな…?」
「え……? いや……その……ッ。」
「ジジイ、愛梨がとまどってんじゃねぇか、急にそんな話すんなよ。」
「だがこれは重要な話じゃ、愛梨にはこの辺をハッキリさせてもらわねばな。」
「わ、私は…ッ…許せません…ッ!! プレイヤー達を…許せません…ッ!!」
「ヴェルオス…愛梨はワシらの『女神』らしい…。だが、こんなただの女の子に何が出来るのやら…。」
「…私が…『女神』??」
「ジジイ、この世界は変わる、もう変わったんだ…ジジイ見ろよ! 愛梨の腕に抱かれてんのは何だ?」
「ぼ、僕…ッ!?」
「……良い風に変わるのか、悪い方に変わるのか…見物じゃな…。」
「愛梨、俺の背中にひっついてる竜の顔はシュラっていうんだ、仲良くしてやってな。」
「はい…! 私は愛梨です! 宜しくお願いします…!」
「僕はピコです!」
「はいはい、宜しく…。さて、クソガキ、これからどーすんじゃい?」
「…とりあえずジジイがうるさいから猫に戻るわ。」
「あ、おい! こら…!」
ヴェルオスは黒い猫に姿を変えた。
「あ! バジルさ…バジルのとこにいた黒い猫!」
「ババアに仮の姿を貰ったんだ、これならジジイは黙るからな、で、愛梨、これからどーすんだ?」
「え…。」
「愛梨はどーしたいんだよ、?」
「私は……ピコを守りたい…!! この世界のモンスター達をプレイヤー達から守りたい…!!」
「愛梨は変わってんな。」
「…?」
「家には帰りたくないのか?」
「帰りたいけど……こんな状況見過ごせないもん…ッ!! ピコ達を守らなきゃ…!!」
「んじゃ、宜しく頼むよ。」
「は、はい! でも…私…戦ったりするのはちょっと…。」
「俺もむやみやたらに元の姿には戻れねーしな…」
「ガァァァ…ッ!!」
ドシーン…ッ!!
倒れ込み気絶していたオーガが目を覚まし立ちあがった。
「あ…ッ!!」
愛梨は突然走り出し、オーガの目の前へ飛び出していった。
「あ、おい…ッ!!」
ヴェルオスは飛んで、愛梨に付いていった。
「巨人さん…ッ!! 私は愛梨と言いますッ!! 宜しくお願いしますッ!!」
オーガは怖い顔で、愛梨を見下ろした。
「オレは巨獣族『オーガ』だぞ…! 人間よ…! オレが恐ろしくないのか…!? 武器も持たずにオレと戦う気か…ッ!?」
「戦わないです…ッ!! それに…怖くなんかないです…ッ!!」
身体を震わせて言う愛梨にオーガは続けて言った。
「お前…何故モンスターを抱いているんだ…? ソイツは確か…『イノタロス』じゃないか…ッ!!」
「オーガさん…ッ!! 私たちの仲間になってください…ッ!!」
「ふざけるな…ッ!! オレはプレイヤーと戦い、使命を全うするのだ…ッ!!」
「ピギャー! ピギャー!!」
ピコがオーガに向かい何か言っているようだ。
「うるさいイノタロスだな、オレと戦いたいのか?」
「…ッ!? オーガさんはピコがなんて言ってるか分からないんですか…ッ!?」
「ピギュー! ピギューッ!」
「オレ達モンスターは種族意外のモンスターの言葉は分からないからな…ッ!! ん…? 何故人間のお前にはオレの言葉がわかるんだ
…ッ!?」
いつもありがとうございます(*^^*)
今回は少し長めにしました(^^)/




