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「ここに来る人達は皆帰る方法は知らないで来るんだ…けど、愛梨さんは何も知らないで来ちゃったの…かな?」


「うん…。」


「どうしようかな…とりあえずここは危ないから一旦街に戻ろうか…!」


「……。」



しゃがみ込み戸惑う愛梨に近付き波瑠は愛梨の肩にそっと手を触れると周りの空気が薄紫色になり二人を囲いながらぐるぐると回転し始めた。二人はその薄紫色の空気に覆われしばらくして、その薄紫色の空気は地面に吸い込まれるように消えていった、すると先程までいた場所とは違う場所に二人はいた。



「どうなってるの…ッ!?」


「アイテムを使って、街にワープしたんだよ! 驚いた…?」


「うん…ッ。」


「だよね…ッ。とりあえず、街にいれば安全だからさ!」


「…ありがとう。でも…私…これからどうすれば…ッ。」


「うーん……あ! 慣れるまでしばらく僕とパーティー組む?」


「パーティー……?」


「うん! パーティーでいれば、倒したモンスターの経験値とかアイテムが振り分けられるんだ!」


「モンスター…経験値…アイテム…?」


「うん! プレイヤーにはレベルやステータス、職業や技や魔法、とか色々あるんだ、その熟練度をあげたりプレイヤー自身のレベルを上げたりして強くなる! 強くなったら、より強いモンスターを倒しに行く! モンスターを倒せば素材が手に入り、その素材を集めて自分で生成したり、お店で……ッて、あれ…? いない…ッ!?」


説明に身が入りすぎてしまい愛梨がいなくなった事に波瑠は気付かなかった。


「はぁ…はぁ…ッ!!」


タッタッ タッタッ


洋風な建物が建ち並ぶ石畳の道、多種多様の武装したプレイヤーの群の中を愛梨は走り抜けていた。

パーティーメンバーやギルドメンバー募集や何かを求む声や雑談、様々な会話が街にひしめき合っていた。



「私にはあんな事……出来ないよ……ッ!!」


森の中でダチョウのような生き物達を容赦なく無惨に斬り倒していた若者達。それに大して怒りを覚え反撃したニコラス。愛梨の腕の中で震え怯えていたピコ。


「ニコラス…ピコ…ッ!! 私には出来ない…ッ!! 私には無理…ッ!! こんな酷い人達の仲間になんかなれない…ッ!! 帰りたいよ…帰りたいよ…ッ!!」


愛梨は泣きながらひたすら走り続けた。

街を出て、森に向かった。

ニコラス達が住む、あの森へ。















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