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ビルダーブーフの事件(改定版)  作者: 藤堂家鴨
Ⅱ マッチ売りの少女
6/8

プロローグ

今回から新章です!

――――くきゃぁ、きゃきゃきゃっ


 嗤っていた。

 あの、女はわたしを目の前にして嗤っていたんです。

 気味が、悪かった。

 今でも思い出すと吐き気がします。


 えっと、はい。

 あの女とは幼馴染なんです、わたし。

 でも、わたし。

 あの女のこと、嫌いなんです。女もわたしのことは嫌いです。いわゆる犬猿の仲ってやつです。

 だからあの女、わたしの前で笑ったことなんてないんです。

――でも、笑った。

 いや、嗤った。

 まるで、髑髏(どくろ)みたいでした。

 こういう風に表現するのは変かな・・・・・・でも、こう表現するのが最適だと思うんです。


 だって、


 あの女、髑髏だから。

 言っている意味が分からない?まぁ、そうでしょうね。

 というか、分かったらすごいですよ。


 あ、でそうですね・・・・・・そうです。


 あの女が火をつけたんです。

 そう、ここ・・・・・・Ⅳ年1組の教室に。

 このクラス、学園からけっこう嫌われていたんですよ・・・・・・はい。

 知ってますよね、貴方がたも。

 そうです。

 Ⅳ年1組はいわゆる選民の中でも上位層に位置する生徒が集まっていて、学園の中で一番絵本の能力者が多いと・・・・・・。

 まぁ、つまり、選民意識が高いエリート軍団ですよ。

 で、二人死んだんでしたっけ?

 二人とも、1組の生徒だったらしいですね?


 で、何でわたしがこの現場にいたかって?

 ただの・・・・・・たまたまですよ。

 だって、わたしの教室は2組ですし・・・・・・一応、わたしも選民のはしくれなんで、はい。

 あの女も選民の一人ですよ・・・・・・ただ、絵本の能力者だとは知らなかったですけど。

『マッチ売りの少女』ですか、たしか。

 だから放火・・・・・・って単純ですね。

 


 でも、


 どうして、


 わたしを疑うんですか?


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