プロローグ
今回から新章です!
――――くきゃぁ、きゃきゃきゃっ
嗤っていた。
あの、女はわたしを目の前にして嗤っていたんです。
気味が、悪かった。
今でも思い出すと吐き気がします。
えっと、はい。
あの女とは幼馴染なんです、わたし。
でも、わたし。
あの女のこと、嫌いなんです。女もわたしのことは嫌いです。いわゆる犬猿の仲ってやつです。
だからあの女、わたしの前で笑ったことなんてないんです。
――でも、笑った。
いや、嗤った。
まるで、髑髏みたいでした。
こういう風に表現するのは変かな・・・・・・でも、こう表現するのが最適だと思うんです。
だって、
あの女、髑髏だから。
言っている意味が分からない?まぁ、そうでしょうね。
というか、分かったらすごいですよ。
あ、でそうですね・・・・・・そうです。
あの女が火をつけたんです。
そう、ここ・・・・・・Ⅳ年1組の教室に。
このクラス、学園からけっこう嫌われていたんですよ・・・・・・はい。
知ってますよね、貴方がたも。
そうです。
Ⅳ年1組はいわゆる選民の中でも上位層に位置する生徒が集まっていて、学園の中で一番絵本の能力者が多いと・・・・・・。
まぁ、つまり、選民意識が高いエリート軍団ですよ。
で、二人死んだんでしたっけ?
二人とも、1組の生徒だったらしいですね?
で、何でわたしがこの現場にいたかって?
ただの・・・・・・たまたまですよ。
だって、わたしの教室は2組ですし・・・・・・一応、わたしも選民のはしくれなんで、はい。
あの女も選民の一人ですよ・・・・・・ただ、絵本の能力者だとは知らなかったですけど。
『マッチ売りの少女』ですか、たしか。
だから放火・・・・・・って単純ですね。
でも、
どうして、
わたしを疑うんですか?