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補遺:田中研究員の未公開手記より


「報告書を書き終え、端末を閉じる。……私は今、誰もいない第4資料室の隅で、彼らが残した僅かな熱量に触れている。

佐藤博士の異常性は、確かに彼を想う者を不幸にする。だが、加藤という男だけは、その不幸すら『贅沢な恋のスパイス』だと言わんばかりに飲み込んでしまった。

……もし、明日、彼らが財団から消えていたとしても。

加藤の記憶が白紙になり、赤子のように幼くなってしまっていたとしても。

あの男なら、また最初から、あの博士を口説き落とすのだろう。

……この記録を、いつか誰かが読み返したとき。

彼らの『執着』が、単なる異常事態ではなく、一つの愛の完成であったことを、どうか認めてやってほしい。」

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