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9 間男絶対許すまじ(怒怒怒

里見理恵:マユの母。すごい美人。不倫している。


 引き続き、里見麻由美女史自宅より私鷹城健人がお送りいたします。


 マユが母親宛てに『今日も舞の家に泊まることになったら晩御飯はいらないです』とライムを送った。『オッケー』を意味するライム・スタンプで返ってきた。

「これで帰ってくるかどうかだね」

 マユが大きく息を吐いた。

「帰ってこなかったらどうすんの?」

 俺が聞くと舞が答えた。

「その時は普通にウチに泊まればいいだけだから」

「その時はお世話になります、タケト君」

「なんで兄貴に言うわけ?」

「こう言ったら舞が怒るかなと思って」

「はぁ?」

 意味ありげな含み笑いをするマユに舞は剣呑な視線を向けた。


 マユは、俺と親しくすることで舞がやきもち焼くと思ってるみたいだな。マユの予想が当たっていることを切に願う。

「すぐに帰ってくるかもしれないから、玄関から靴を回収して隠れる場所を決めておこう」

「私の部屋でいいと思う」

「ご両親の寝室は? クローゼットない?」

「あるけど危険じゃない?」

「虎穴に入らざれば、でしょ。リスクを取るべきだと思うけど」

 舞、アグレッシブやん。

「まず玄関の靴を取ってくる。私の部屋に行こ」

 マユが立ち上がると俺たちもそれに続いた。


 マユの部屋は二階にある。隣は両親の寝室。

 女の子の部屋の中をあれこれ書くのはよろしくないと思う。躊躇なく男の俺を入れてくれるくらいにキレイな部屋だよ。

 天井までのクローゼット折戸があり、その中に靴を隠した。クローゼット大きいから俺らも隠れることができるだろう。


「4時までに帰ってこなかったらウチに行こう。お母さんにはマユが泊まること伝えてあるから」

 舞が壁掛け時計を見ながら言った。時刻は間もなく1時。

「マユ、おばさんの私物を調べたら浮気の証拠出てくるんじゃない? タンスとかクローゼットとか」

「いろいろ探してみたけど見つけられなかったわ」

「そっか。おじさんが何か気づいてるってことはない?」

「うーん、多分気づいてないと思う。時差もあって、私たちが起きてる時あっちは夜中なんんだよね」

「怪しいと感じる余地がないわけね」

「うん」

 こんな時に不謹慎だけどコイツら仲良いな。イイ感じです。

「お昼代わりになるものちょっと探してくる。パンがあったらいいんだけど」

 マユが出て行った。


 マイからDM来てないかシャベルを確認しようと思いスマホを取り出した時、玄関の方で音がした。


「「!」」

 俺と舞は顔を見合わせた。

「帰ってきた?」

 舞の言葉に俺は「多分な」と答え、ドアをそっと開けた。階下で男の声が聞こえてくる。


「ホテル入る前にライムが来てラッキーでしたね」

「もう、大きな声出さないで」

「いいじゃないっすか。裏の夫の御帰宅ですよ?」

「フフフ、お帰りなさい、ダンナ様」

「お帰りのキスは?」

「はいはい。ん……」

 ナマ不倫のやり取り、ドン引くわー。


 それよりマユはどこだろう? 見つからなかったらいいが……

「兄貴、スマホ!」

 小声で舞がスマホを見せる。画面は録画モード。忘れてた。


「ちょっと、ここ玄関、んっ、んン……っ」

「玄関はダメ? オレ、理恵のことブチ犯したくてずっと我慢してたんすよ? どうしてくれるんすか、コレ?」

「んっ、もう、大きい……」

「犯して欲しいですか?」

「え、ええ、犯してほしい……」

「こないだの納品伝票、たった6円間違っただけなのにあんなに怒るなんてヒドイじゃないっすか。スッゲー腹立ったんですよ?」

「あれは仕事で、あなたのミスだったから……」

「ダーメ。スッゲー逆恨みしてるんで、スッゲー報復レイプします」


 スッゲー報復レイプにスッゲー興味津々な俺です。


「……して。報復レイプ……」

「じゃあ娘さんの部屋に行きましょう」

「えっ?」


「「!」」

 顔を見合わせる俺と舞(二回目)。

「クローゼットへ!」

 俺の言葉に舞は頷いた。マユのことが気がかりだ。くれぐれも早まるなよ……!




『マユ、だっけ? ここが娘さんの部屋?』

 荒い息遣いの二人が入ってきた。

『え、ええ……ねぇ、ホントに娘の部屋は……』

『さっきからダメ出しばっかじゃないですか。パワハラに傷ついたので理恵を懲戒処分します。大人しく処分を受けてもらわないと』

『ちょうかい処分……』

『ネチネチとイジメるので覚悟してください……』




 ……というやり取りがクローゼット扉を隔てた向こう側で繰り広げられております。

そして俺の胸の内には舞が。

 真っ暗なので表情はわからない。俺にしがみつきプルプル震えているのは怒りなのか羞恥なのか。

 舞の体はスゲー柔らかくて温かくて胸のふくらみが俺の胸に当たって、その、男心というか男気というか繁殖欲求というか、とにかく凄い何かが下半身に収束してきてとにかく大変なんです。ちゃんと日本語の説明になってる?


 ぐぉっ⁉

 思わず声が出そうになる。舞の手が俺の股間に触れたからだ。舞は俺の胸の中でビクッと体を震わせた。

「!!!…………っ」

 下半身の窮状を舞に知られた! 

 ヤバイ、俺終了の予兆。




 外、つまり部屋の中ではマユ母と間男の睦み合いがいよいよ進行している。淫猥に湿った口舐音が規則性を持って聞こえてくる。口でのご奉仕中だな。

『こんな……こんなセクハラ、許せない、許せないっすよ!』

『んっ、んンっ』


 女の口から洩れ出るくぐもった声が聴覚を通して俺の下半身を責め苛む。

 間男のヤツ、楽しそうやな。俺は舞に見限られて人生終わったかもしれんのに。

 舞は俺のこと軽蔑したやろうな。親友の母親の不倫現場に性的興奮する兄、そりゃ絶縁級の失態やもんな。




『ぬぉっ! ぬぉっ! 出る、出るっ! 受け止めろよ、ぬぉおおおぉぉぉおっ!』

『んんんっ! ンッ……ンっ!』



雄叫びを上げて果てる間男。全部録音してるからな、覚えてろよ。



『はぁはぁはぁ、娘の部屋で母親の口を犯すってサイコー』

『んっ、んく……ひどい後輩……』

『ドMの人妻先輩はサイコーですよ。じゃあ娘さんのベッドでもっと懲戒処分しちゃいましょう』

『あん、ダメ、来島くん……!』

『もっと嫌がってください。嫌がってる美人を犯すの、スゲー興奮するんで!』



 マユ母の喘ぎ声がエロすぎて俺、直立姿勢を保持できず身悶えしてしまうんよ。

 舞の顔を窺おうにも暗くて見えない。俺を突き放そうとはせずしがみついている。その、下半身に舞の体が当たるたびに辛すぎる。股間の劣情は舞の知れるところになっており、誤解の余地はない。

「ご、ごめん舞……」

 小声で謝ったが聞こえたろうか?

「…………」

 舞から返事はなく、両手を俺の後ろに回して抱きついてくる。背中をかきむしるように震えていた。あんまりしがみつかないで欲しい。下半身がマジでヤバイ。舞が身じろぐたびに下半身が刺激されてもう、もう……っ!

「できれば動かないでほしいんやけど」

 小声でささやく。耳元で囁いてしまったため、また舞は体をうち震わせてしまい、それがまた刺激となって伝播し俺も電撃的な快感に打ち震える。

「う、動くなって、声が出ちまう……!」

 そう呟いた途端、唇を塞がれた。


「んっ!?」

 舞が両手で俺の顔を掴んで唇で唇を塞いできた。何が起こったかわからなかったが柔らかい感触に覆われてキスされたことを理解した。

 とっさに引き離そうとしたが強い力で押さえられ、唇を押し付けてくるのですぐにこちらからも唇を押し付け返す。もう止まらなくなっちまって舌を出した。唇を舐めると舞もわかったのか、黙って俺の舌を受け入れた。歯を舐め、その向こうの舌を絡め取る。舞の舌はしっとり濡れていて、俺が貪るようにねぶると舞も貪欲に応じてきた。



『出すぞ理恵! 出る、出る、出る……っ!』

『だめっだめっ、だめぇぇぇぇ!』



 男と女の果てる声が俺を正気に戻してくれた。

 アカンやん、マジキスしてる場合じゃない。唇を強引に離すと舞も我に返ったのだろう。それでも名残惜しそうに未練らしく舌で俺のことを追ってきた。「はぁはぁ……」と荒く熱い息遣いが再び俺の理性を破壊しようとする。

 壊れそうな俺を再び正気に戻したのは間男の声だった。



『何へばってんですか。ダンナさんと娘さんも使ってる風呂場で続きをしますよ』

『はぁはぁはぁ……いじわる……』



 ぐぬぬぬぬ、やっと出て行くのか。この間男、絶対許さん。コイツがマユの部屋でヤろうとか抜かしたばかりにこっちは兄妹の絆崩壊の危機やんけ!


 二人が出て行ったと思われるので、クローゼットの折戸を注意深く少し開け、様子を窺ってからもう少し開けてまた様子を窺う。誰もおらず入口ドアが閉まっているのを認めてから外に出た。


「はぁはぁはぁ……くっそーっ!」

 心の中で地団太を踏みながら背後のクローゼットを振り返るとすっかり上気してしまって上目遣いで見上げる舞がいた。

「舞、その……」

「『ごめん』とか言わなくていいから」

 言葉を先取りされた俺はまさに『ごめん』という言葉を飲み込んだ。


 ここで入口ドアが静かに開いてマユが入ってきた。自分のベッドが交尾に使われたことを悟って顔を歪ませる。俺と舞がキスに夢中になってたことはさすがにわからなかったようだ。

「あいつら、今お風呂で盛ってるからこの隙に脱出しよう!」

 吐き捨てるようにマユ。

「男の方、知ってるヤツか?」

 気を取り直してマユと向き合う。俺の質問にマユは頭を振った。

「ううん、わからない」

「そうか。俺、この隙に間男の財布を漁るわ」

「! わかった!」

「いや、マユ、お前は来るな。その、浴室でお前のオカンが」

「大丈夫、あいつは私にとって障害でしかないと思ってるから」

「そうか。なら一緒に行こう」

 マユは頷いた。ちょっとためらいがちに視線を舞に移すと、舞は俺とは目を合わさず小さくコクンと頷いた。


 浴室前の脱衣室は洗面室・洗濯室を兼ねている。匍匐前進で床を這って床に散乱している男女の衣類の中から間男ズボンを漁る。財布は簡単に見つかった。

 運転免許証、マイナンバーカード、社員証を見つけて三人のスマホで撮影と録画。

 浴室では相変わらず間男が攻めまくってるらしく、そんなやり取りが聞こえてくるので一応これも録画カメラを向けて声と音を拾う。会話内容はわからないが、中でセックスしていることは十分わかるはず。

 三人で頷き合うと裏切りと不貞の家を後にしたのだった。


ガイドラインを確認し。多分R15でいいだろうと思い、なろう様に投稿しました。

もし運営様より警告が来たら一旦削除して後日R18としてノクターン様に投稿します。アカウントをまだ作っていないので時間がかかるかもしれません。


質問板を読む限り、本編(非R18)はなろう様で、R18シーン回だけノクターン様に投稿しても問題なさそうなので、そうしてみようと思います。『帝都シャルミ』『サキュバトクラシー』についても同じようにします。


私の理解が間違っていて警告が来たり削除されたりするかもしれません。その時はその時ですね。


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