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8.頼もしい部下たち

アリアの部下達は頼りになるが信頼が重いのだ。

 俺には魔王軍にいた頃からの部下が3人いる。

 俺はアイツらに何も言わずに魔王軍を去った。

 それ以来如何していたのか、何も知らない。

 こんな俺の言葉なんて今更聞きもしないだろう。

 そう思っていた。しかしー-


「お前たち来てくれたのか」


 3人は俺の前に集まってくれた。

 しかもいまだに俺に忠誠を誓ってくれているらしい。

 膝をついて、頭を下げているのだった。


「団長。我々はこの時を待っておりました」

「待っていた?」

「3年前、突如魔王軍から去り、私たちに何も言わずに去っていった日からです」

「あぁ、怒ってるよね」

「そんなことないよ。僕たちはタイチョーには何か考えがあるんだーって思って、僕たちも強くなろうって頑張ってたんだよ」

「そ、そうか。偉いな」


 俺は言葉を詰まらせてしまった。

 ついつい失望されたかと思っていたのだが、今の言い方からしてそうではないらしい。


「久しぶりだな。ランス、シル、ウェント」

「団長!」

「マスター!」

「タイチョー!」


 俺はウェントに抱きつかれた。

 前より力が強くなっているな。しかも尻尾の毛もかなり伸びている。ライナさんの元で、しっかり修業を積んだらしい。

 それから、


「ランス。剣の腕をまた上げたのか」

「分かりますか」

「当たり前だろ。その剣、前にもまして傷が増えているからな」

「マスター私は」

「シルは……色っぽくなったのか? 悪い、俺にはそんな感情ないんだわ」


 性欲なんてもの吸血鬼の血が濃すぎるせいで、すでに吹き飛んでいる。

 ただシルの細身で長身の体がより豊満になっている部分と華奢な部分に分かれている気がした。

 エロいな。多分。


「嬉しい」

「よかったなシル」

「ランスは見ない」

「酷くね? まあ俺には将来を誓った相手が……」

「はいはーい。それはいつものことだから、無視しようねー」


 相変わらずだった。

 皆笑顔で楽しそうだった。


「はぁ、ほんと相変わらずだな」

「ねぇねぇタイチョー! 遊んで遊んで」

「そんなのリューツのところにでも行って来い」

「つまんない! つまんないのーだ」


 やれやれ。

 本当に呆れる体力だ。

 ウェントはライナさんの弟で、一見すると女の子みたいに見える童顔で、その性格も相まって、明るくてあどけない部下だったはライナさん並みで、一度我を忘れると所構わずになるにで、手が付けられなかった。


「わがまま言わない」

「むー」


 それを宥めたのはシルだった。

 シルはハーピィという種族で、昔はその羽を狙って捕らえられたり、羽を剥かれて奴隷にされることもあった種族だ。

 しかし今ではそんな忌まわしいものは歴史の果てへ消え去り、シルは不愛想だけどクールで時々見せる笑顔がかわいい。


「団長。俺の話……」

「あぁ、今度聞いてやるから」

「団長!」


 全身を黒くて禍々しいいかにもな鎧で覆うのは、霊騎士ランスロット。

 俺たちはランスと呼んでいる。

 今から120年前の対戦で命を落とし、それから生きる亡霊となった彼だが、鎧の下の素顔はイケメン何がムカついた。

 しかし剣の腕は確かで、ひとたびまみえようとするなら、よっぽど自信がなければそのまま気圧されてしまうほどだった。


「それにしてもお前たち、これからどうする」

「団長に従います」

「私も」

「もちもちろんろん」


 ウェントのはよく解らないが、とにかくそういってもらえて安心した。

 俺にはこれからやるべきことが決まっている。

 そのためにはお前たちの力が必要だった。


「最初に言っておく。俺は人間とも、魔王軍ともやり合う気はない。必要にならないなら、無駄だからだ」

「そんなの知ってるよー。それでそれで」


 こういう時のウェントの空気の無理矢理に引っ張ってしまうのはかなり上手い。

 俺にはできない芸当だった。

 しかしだからこそだ。


「これから俺の知り合いの人間を連れだす。そのために力を借りたい」

「人間? もしかして団長のコレですか」

「その指に形やめろ。シルはそんな目で俺を見るな」


 ランスとシルの悪ノリを止めた俺は、話を戻した。


「その子は聖女という役に締め付けられ、したくもない縁談まであるそうだ」

「なるほどねー。じゃあ僕たちが縁談をめちゃくちゃにすればいいの?」

「いやそんなことはしなくていい。俺たちがやることはただ一つ」


 俺は不敵な笑みを浮かべていた。

 そして突飛なアイデアを落としてみた。

 

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