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4.盗賊をぶっ倒した

アリアの出るまでもない。

 俺は声のした方に走った。

 するとそこにいたのは、女の子を取り囲む男達の姿だった。


「なんだあれ?」


 明らかにヤバい状況なのは誰が見ても解る。

 しかし何故こんなことになっているのか、解らない。

 だが、女の子は口を塞がれていて両手を縄で縛られていた。

 それに聞こえてきた会話の内容は、


「やっと捕まえたぜ」

「逃げてんじゃねえよ、ガキが。死にてぇのか」

「いいんじゃねえか。どうせ1人いなくなったところでよ」

「馬鹿が。あの変態の旦那がお望みなんだよ」


 ゲスな会話だった。

 俺は聞くに堪えないと思い、隠れているのもわずらわしくなって、木々の陰から姿を現した。


「おい」

「な、なんだ!」


 声をかけると、男達は振り返った。

 そして、腰から剣を取り出すと何も聞かずにいきなり切りかかってきた。


「死ねっ!」

「おいおい血の気多いな」


 俺は軽やかに避けた。

 しかし男達は合計で5人。1人躱したところで、次から次へと剣を振り下ろされる。


「くそ、なんで当たらない!」

「当たらないって」


 連携も何もなってない。

 完全に寄せ集めの集団の動きは、それぞれが自分勝手なもので、俺には全く通用しなかった。


「くそっ! くそっ!」

「はぁはぁはぁはぁ……この野郎!」

「あのなー」


 遊びにもならなかった。

 まさか、一方的に攻めてきたのに、俺は避けているだけで音を上げてしまうなんて。軟弱な奴らだ。


「この野郎。よくもやりやがったな!」

「いや、俺は何もしてないんだけど……」

「うるせぇ!」

「お前の方がうるせぇ」


 無駄口が多かった。

 こんな押し問答をいつまでも続けても仕方ない。

 俺は、剣を取り出すと、


「眠っとけ!」


 男達の前で振り下ろした。


「「「ひぇぇ!」」」


 目を見開き怯える。

 すると男達はピクリともしなくなった。

 それを見た女の子は怯えて小さくなる。


「ごめんごめん。ビックリさせたね。大丈夫、殺してないから。ちょっと気絶させただけ」


 俺はチラッと男達を見た。

 全員気絶している。

 こんなに弱いなんて。本当に寄せ集めみたいだ。


「今縄をほどくね」


 俺は女の子の縄をほどいた。

 変なことしないか不安そうだけど、俺はそんなことしないから安心してほしい。

 しかしよっぽど怖い目にあったのか、女の子はぶるぶると震えていた。


「はいほどけた」

「あっ、ああ」

「大丈夫、ゆっくり喋ればいい」


 俺は優しい声をかけた。

 すると女の子は息を整えると、第一声でこう言った。


「あの、お姉ちゃんを助けてください!」

「はぁ?」


 俺は首を傾げ、間抜けな顔をしていた。


 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


「どういうことだ?」


 俺は怯えた様子の女の子に尋ねた。

 すると女の子は、極力流暢(りゅうちょう)に話す努力をしてくれた。


「お姉ちゃんが、戦ってるの」

「戦ってる? 誰と」

「あの町の領主様の偽物」

「偽物? ちょっと待ってくれ、情報が錯乱して……」

「お願い!」


 俺は頭の中で話を整理しようとした。

 しかし女の子はお構いなしに、俺の服を掴むと引っ張り出した。


「お姉ちゃん助けて。お願いだから!」


 なんと頼りない手だ。

 だけど力強い。俺はその気持ちに突き動かされて、女の子に尋ねた。


「わかった。それで、町はどこ?」

「あっち」


 女の子が指を差す。

 やっぱりここから一番近い町か。

 あの町の領主は俺の知っている頃は悪くなかったはずだが、ここ最近で何かあったのか。

 とにかく行ってみることにした。


「わかった。君は……」


 こんなところに放置ってわけにもいかない。

 俺は女の子に行っておく。


「いいかい。絶対に出てきちゃ駄目だよ。駄目だよ」

「うん」


 女の子は思い切り首を縦に振った。

 それを見届けた俺は、女の子を連れて町に向かう。

 するとそこは、


「なんだこれ……」


 町はボロボロだった。

 建物の一部は崩れ、人々はしおれたように元気がない。

 まるで“死の町”だった。


「これはどういう……」

「お兄ちゃん、あそこ!」


 女の子は指で示す。

 するとそれは領主が住む屋敷だった。

 けれど何か変だ。屋根の一部が壊れている。

 俺は嫌な予感がして、女の子を置いて先を急いだ。


「ちょっと行ってくるから、頼れる大人と一緒にいて」

「う、うん」


 俺はそう言い残すとその場から全速力で駆けだした。

 そして屋敷を目の前にする。

 それはかなりの破損が見られ、かなりの状況だった。


「マジで何があったんだ」


 そうう口にしてしまった。

 すると、


「消え失せろ、女ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 凄まじい怒号が聞こえてきた。

 俺は危機感を感じ、急いで中に飛び込んだ。

少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです。


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