【漫才】 ユーのおにぎり
ボケが時々語尾に「☆」を付けますが、それはあざとくて可愛い女の子の真似をしているイメージです。
ただしボケの見た目は冴えない成人男性。
ボケ「こんにちはー。ボケでーす」
ツッコミ「どうも、ツッコミですー」
二人「よろしくお願いしまーす」
ボケ(芝居っ気たっぷりに)「あー、お腹空いたなぁ」
ツッコミ「いやいや、漫才始まったばっかりでいきなり何を言ってんだ?」
ボケ「もう! ツッコミ君たらわかってないなぁ! プンスコプン☆!」(ほっぺたを膨らませる)
ツッコミ「この状況でわかる方が凄いだろ。いきなりお腹空いたとか、可愛くないのに可愛い子ぶってプンスコプン言い出したり、こっちは異次元に放り込まれた気分だよ」
ボケ「漫才なんだからテーマがあるでしょ! 今回はお腹が空いた時に食べるものの話なの!」
ツッコミ「あー、そうか悪かった。そんで?」
ボケ「やっぱり日本人ならおにぎりでしょう!」
ツッコミ「急に三次元の普通の話に戻ってきたな。でもおにぎりは良いね」
ボケ「ツッコミ君は何のおにぎりが、好☆き?」(両手を胸の前で組んで上目遣いで聞く)
ツッコミ「……何か今日、ノリが変だからやりにくいな」
ボケ「おにぎりだけにノリが大事ってね! 流石☆」
ツッコミ(強めにツッコミつつ)「言ってない言ってない! お前が気持ち悪いって話だよ」
ボケ「ひどーい! プンスコプン☆!」
ツッコミ「もうそれいいから。えーと、好きなおにぎりね。ツナマヨかな?」
ボケ「いいですね。ツナマヨ人気ですね。でも僕はやっぱりね。ユーのおにぎりかな!」
ツッコミ「……ユー?」
ボケ(両手を胸の前で組んで上目遣いでツッコミを見つめ、コクコクと頷きながら)「ユー☆」
ツッコミ(おそるおそる自分を指さして)「……YOU?」
ボケ(突然前を向き、真顔で)「"ユー"とは、新潟県の一部地方の方言で"鮭"の事ですね」
ツッコミ「気持ち悪い勘違いしたじゃねぇか! なんで新潟県だよ。お前は東京都足立区出身じゃなかったっけ?」
ボケ「いやー新潟は僕にとって第三の故郷ですからね」
ツッコミ「そんなの初めて聞いたぞ」
ボケ「何せ僕のお母さんの従兄弟の奥さんの妹の先生が『新潟は良いところらしい』って言ってますから」
ツッコミ「……今日はノリが異次元過ぎて、そのベッタベタな定番ボケがなんだかとてもホッとするわ」
ボケ「あぁ、日本人の定番! ホッとするおにぎりはノリが湿気ってベッタベタなやつもありますね☆」
ツッコミ「誰が上手いことを言えと」
ボケ「やっぱりおにぎりはlaksに限りますよね☆」 (「ラ」に強いアクセント、「クス」は無声音で言う)
ツッコミ「ラ、らっくす?」
ボケ「laks」(ツッコミを見つめ、ドヤ顔でゆっくりと言う)
ツッコミ「……って何? 鮭どこいった」
ボケ(前を向き、真顔で)「"laks"とは、ノルウェー語で"鮭"の事です」
ツッコミ「なんでいきなりノルウェーなんだよ!」
ボケ「いやー、ノルウェーは僕にとって第四の故郷ですからね」
ツッコミ「日本人の定番どこいった! ワールドワイドに変わってるじゃん!!……因みに第五第六の故郷はどこよ?」
ボケ「北海道とチリですね」
ツッコミ「故郷の間柄が遠いなー!! ほぼ地球の反対側同士ぃ!!」
ボケ「でも故郷の事は、遠くにいても忘れません☆」
ツッコミ「鮭だけに、故郷に必ず帰ってくるってか! て言うかお前がさっきから故郷って言ってる所、全部鮭の名産地だろー!!」
ボケ「違うもん! 第二の故郷は銀河系の外にあるボケりんこ星だもん☆! プンスコプン!」
ツッコミ(疲れたように)「ワールド超えてホントに異次元に行っちゃったよ……もういいわって言いたいけど、一応、第一の故郷も聞いとこうか……」
ボケ(前を向き、真顔で)「東京都足立区の北綾瀬駅から徒歩5分です」
ツッコミ「うわ、ただの事実」
ボケ「実家はおにぎり屋さんで、鮭のおにぎりが一番オススメです☆」(てへぺろ)
ツッコミ「単に超ながーい実家の宣伝だった~!! 今度こそもういいわ!」
二人「ありがとうございましたー!」
お読み頂きありがとうございました。