ななわめ!ファッションセンスが分からない……
一時間予定より遅れました。
バスが止まり、商店街についたことが分かった。
因みにバスに乗っている最中に永久ちゃんの服についていたGPSや盗聴器などは全て外しておいた。
バスを降りた先にはかなり綺麗に整備されている商店街が広がっていた。
「おぉ、綺麗だね織夏ちゃん!」
「うん!」
……そういえば永久ちゃんは財布にいくら入っているのだろうか?
「お姉ちゃんは財布にどれぐらい入っているの?」
「え?大体3万ぐらいだけど……」
「あっ……、うん、お姉ちゃん、お金は私が出すね。」
「え?どうして?」
「お姉ちゃん……、3万だけじゃここでは何も買えないよ……」
「ふぇ?」
ここお嬢様学校だからな……
「大丈夫、お金は私がたくさん持ってるからね?」
「……今日はやめない?」
「……(無言の涙目)」
「あぅ……、……後で返すからね。」
「うん!」
……返されるのはいつになるのだろうか、確か作中ではお小遣いが月に100万だったはずだ。
「よしっ、早速あそこに行こうよ!」
「え……、あの店って確か……」
俺が指さした指はアパレル業界でかなり有名なブランドであるEIである。
もちろん高級。
俺はあそこで姉妹コーデをするつもりである。
因みに姉妹コーデは基本的に子供服で小さいのだが150cmと140cmの俺たちならば問題ないだろう。
一時間後……
「ご来店ありがとうございました〜」
う〜む……、ファッションセンスはふたりともなかったようだ。
何が可愛いのかが全くわからなかった。
……何故かお母さんが店員に変装しててよかった……
いや本当に何してんだよお母さん。
権力で無理やり入っただろ……
というかよく理事長だって気づかれなかったな……
入学式で話してたからある程度は印象に残っていただろうに……
まぁ、うちの家系は超人が多いらしいから変装技術はかなり高かったけど。
俺も気配がお母さんじゃなかったら気づかなかったし。
まぁ、お母さんのおかげである程度マシなものを買えたからいいだろう。
因みに俺は服を買ったらすぐに着るタイプなので今はその服を着ている。
黒のゴスロリって可愛いけど恥ずかしいよね!
なお、もちろん永久ちゃんにも着せている。
「は……恥ずかしいから服変えない?」
「え?どこが恥ずかしいの?」
う〜ん……、スカートを押さえながら顔を赤らめている。
実にかわいい。
「はうっ……」
「?」
どうしたんだ?
う〜ん?
まぁいっか。
次はどこ行こうかな?
カラオケ?
いや、まだそんなレベルまで親しくないか……
う〜ん……、まぁ、今日のとこは帰ろうかな?
俺は永久ちゃんの手を引き、バスへと向かった。
当然のようにあるバスに乗り込むと当然のように出発し、運転手はやはり俺の護衛のうちの一人であった。
* * *
僕はオリエンテーションの景品である食堂一週間無料チケットをもらったあと、織香ちゃんと一緒に帰った。
「あれ?お姉ちゃんの部屋って私の隣なんだね!」
「え!?そうなの!?」
隣の表札を見てみると、確かに天青 織香と書かれていた。
「これからは一緒に登校できるね!」
か、かわいい……
眩しいほどの笑顔だ……
僕は尊死しそうになるのをなんとかこらえ、部屋へと入った。
ん?なんか視線を感じるような……
まぁ、気のせいか。
数十分後……
ピンポーン
ん?だれだろう?
そう思い僕は扉を開けた。
そこには私服を着た可愛らしい織香ちゃんがいた。
「あれ?織香ちゃん?どうしたの?」
「お姉ちゃん!お買い物にいかない?」
「え?うん!行く!」
「やった!」
織香ちゃんと買い物……
楽しみだ。
「お待たせ!」
「じゃあ早速行こっか!」
おっと、流石に今回も走るのはごめんだから予め行っておかないと。
「あっ、今回はバスを使ってね」
「も〜、それは体育館前で約束したからわかってるよ〜」
「あははっ、ごめんごめん」
「む〜」
頬を膨らまして怒こっている。
そんな顔も実に可愛らしい
「ごめんって、一つ言うこと聞くから許して?」
「え!?本当に!?」
「うん、嘘なんてつかないよ。」
「じゃあ私と姉妹コーデしよ!」
「……え?」
……言わなければよかったかも……
「だめ?」
そう涙目で見てくる。
「うっ、そんな顔されると断れない……」
ざ、罪悪感が……
「言うこと聞いてくれるって言ったのに……」
「わかった!わかったから!泣かないで?」
「……うん!」
……姉妹コーデかぁ……
「うぅ、ちょっと恥ずかしい……」
しかし、織香ちゃんには聞こえなかったようで、僕の手を引いてバスへと向かう。
手が……手が柔らかい!
こ、これが女の子の手……
などと気持ち悪いことを考えているとバスへと乗り込んでいた。
そして、僕達が座ると同時に走り出した。
それにしても……
「私達以外に誰も客がいないなんて……、偶然だね。」
「うん!そうだねお姉ちゃん!」
ん?なんか顔が引きつってるような……
そう考えているとそれを誤魔化すかのように織香ちゃんが話しだした。
「ねぇねぇ、お姉ちゃん、なんで制服なの?」
「うぇ!?」
女性服なんて持ってるわけ無いでしょ!?
「えっと……」
う……、な、なんて言い訳すれば……
「この前は私服だったよね?あれ?そういえばあのときの服装はやけにボー「入寮するときに入れるの忘れてて」……へ〜、そうだったんだ!お姉ちゃんも結構抜けてるところがあるんだね!」
「あう……」
抜けてるって思われた……
けどなんとかごまかせたかな?
僕の寿命が1年ぐらい縮んだ気がした……
この学校を卒業する頃にはもう寿命がないのではないだろうか……