よんわめ!オリエンテーションってなにするんだろう?
投稿が遅れた理由はサボってただけです。
静かな体育館の中で理事長兼校長であるお母さんが話している。
内容はほとんど聞いていないからわからないが、ゲームで話していた内容は覚えているからそれで十分だろう。
入学式……早く終わらないかなぁ……
* * *
「これにて如創女学院の入学式を終わります。」
やっと終わった〜
確かにこのあとは教室に行くんだったよな。
……確か教室ではイベントがあったな。
内容は確かオリエンテーションだったはずだ。
この学校は文武両道を異様なほど重要視していて定期的にスポーツ大会が行われる。
確か最初のオリエンテーションだとバスケだったかな。
オリエンテーションで一位を取ったものは確か一週間食堂代が無料になる景品が与えられていた。
まぁ、ここお嬢様学校だからたかが一週間食堂代が無料になる程度では全くなびかないのだが……
さ〜て、教室入〜いろっと。
あれ?なんか永久がこっち見てない?
数分後……
「では皆さん、自己紹介をしましょう。」
……あ〜……ゲームでは無かったけど現実ならそりゃあるか。
考えてなかったなぁ……
「姉伍 音芽だ、よろしく頼むぜ。」
あっ、姉御だ。
同じクラスだったんだ。
メインヒロインは絶対同じクラスだけどサブヒロインはクラスがランダムだから誰かわかんなかったんだよね。
……姉御と妹……ありだな。
「音湖 永久です、あの、よろしくおねがいします……」
かわいい……
女装した状態で注目されてるから恥ずかしいのかな?
「順条 陽香です、よろしくおねがいします。」
あっ、メインヒロインだ、正直純情ってだけだから俺からの印象は薄い。
というかメインヒロインなのにヒロインの人気投票4位だぞ。
あっ、次俺の番だわ。
「天青 織夏だよ!みんなよろしくね!」
うむ、元気っぽくていい感じだな。
しかし……クラス全員が私より10cm以上高いって変な感じするなぁ……
「では、自己紹介も終わりましたのでオリエンテーションを始めます。」
おっ、オリエンテーションが始まるな。
「参加人数は10名です、参加したい人は手を上げてください。」
ふむ、参加する人がちらほらと現れているな。
しかし……、内容はあらかじめ言うべきじゃないか?
まぁ……、いいか……
俺は偶然(理事長パワー)にも隣の席にいる永久に小声で話しかける。
「お姉ちゃん、このオリエンテーションで勝ったら一週間食堂代が無料に「やります」なるらしいよ。」
うむ、言い切る前に手を上げたな。
主人公って変なところで貧乏臭いからなぁ……
「では、参加者はこちらへ来てください。」
そう言って、教師は教室を出ていった。
その後には、永久達がついて行っている。
因みに参加者には姉伍と順条もいる。
それにしてもなんでギャルゲーなのに定期的にスポーツ大会が開かれるんだ?
いや、スポーツ大会が開かれること自体は別にそんな変でもないかもしれないけどこのスポーツ大会いちいちミニゲームが発生するんだよ。
しかも結構しっかりしてるやつ。
まぁ、このミニゲームの多さがこのギャルゲーが人気になった秘訣なんだけど
おっ、そろそろ試合が始まるな。
主人公はどうなるかな?
* * *
女装して女学院に入る羽目になった僕は心臓に悪い織夏ちゃんとの再開をし、意味のわからない体力を持った織夏ちゃんに3キロもノンストップで走らされた後、入学式を終え、当然のように隣にいる織夏ちゃんを見ていた。
「?」
ふむ、不思議そうな顔をしていてかわいい、守りたくなる。
しかし、3キロを平然と走りきっているあたり守る必要性を感じられない。
というかお嬢様学校に通っているってことはお金持ちなはずだ。
なら護衛もいるだろう。
……お嬢様か……
僕はそんな人に命を助けられたんだよな……
というか僕ってお嬢様に危険なことをさせたやばい人じゃん。
暴走したトラックの前を横切らせるって……
今思うと織夏ちゃんの家に殺されても文句は言えない気がする……
今は李治家の庇護下にいるから大丈夫だろうけどもし僕がこのことを断っていたら殺されてたかも……
う〜む、もし李治家に勘当されても殺されないために織夏ちゃんには媚を売っておこう。
……そう考えると僕めっちゃ嫌なやつじゃん。
よし、罪悪感すごいし普通に友達として仲良くなろう。
せっかく本来入れない学校なんだしエンジョイしなくちゃ!
そんなことを考えていると教師が入ってきた。
「担任の多田野 茂部娘です。」
……ただのもぶこ……ただのモブ……
うん、凄く可哀想な名前だな、親は何を思ってこんな名前にしたんだ?
うん、触れないほうがいいな。
僕は可哀想な子を見る目をしながら多田野先生を見る。
ふと周りを見ると織夏ちゃんを除いて全員が僕と同じような目をしていた。
因みに織夏ちゃんはいつもと変わらない笑顔だ。
というか話を聞いていないような顔だ。
いいのだろうか?
……可愛いは正義だからいいのだろう。
ふむ、クラスほぼ全員から可哀想な子を見る目をされていて先生が気まずそうだ。
「おほん、では皆さん、自己紹介をしましょう。」
そう多田野先生が言い50音順で自己紹介を始めていった。
僕が自己紹介で気になった生徒は織夏ちゃんを除いて一人だけいて、その人は姉伍という名字らしい、名前の通り姉御っぽい口調だ。
ここお嬢様学校だよな?
いいのか?
……と僕はつい思ってしまった。
他に気になったのはしいて言えば順条という名字の生徒が周りよりも顔が良いように見えた程度だ。
それに、順条さんには悪いが正直織夏ちゃんのほうが可愛く思えてしまう。
セリフの語尾に!が付いているあの元気っぽい感じがすごくいい。
……もしかしたらあの事故で助けられた影響で惚れてしまったのかもしれない。
いや、それはだめだ。
YESロリータNOタッチという言葉を忘れてはいけない。
などと僕が馬鹿げたことを考えていると自己紹介が全員終わったようで多田野先生が口を開いた。
「では、自己紹介も終わりましたのでオリエンテーションを始めます。」
オリエンテーション?
何やるんだ?
周りを見ると教室にいる生徒はざわざわしていた。
「参加人数は10名です、参加したい人は手を上げてください。」
え?いや、内容は?
普通参加者を募る前に内容を説明するよね!?
しかし多田野先生が内容を説明する様子はない。
その代わり隣りにいた織夏ちゃんが小声で話しかけてきた。
「お姉ちゃん、このオリエンテーションで勝ったら一週間食堂代が無料に「やります」なるらしいよ。」
はっ!?
つい反射で手を上げてしまった。
織夏ちゃんに貧乏臭いと思われてないよね!?大丈夫だよね!?
……いや、織夏ちゃんがそんなこと思うわけ無いか。
(実際は思っている。)
「では、参加者はこちらへ来てください。」
そう言って多田野先生が教室を出た。
どうやら別室で行うようだ。
教室に残る人たちは恐らく電子黒板で僕らが行うことを見るのだろう。
う〜ん、ますます何をするのか気になるが、多分オリエンテーションの会場についたら知らされるのだろう。
……それにしてもなぜ織夏ちゃんは一位になれば食堂代が無料になることを知っていたのだろうか。
教室の生徒の反応的に前々から知らされていたわけではないように見えた。
やはり上流階級が持つ特別な情報網だろうか?
謎だ。
一体織夏ちゃんは何者なのだろうか?
このギャルゲー世界はADVというジャンルの懐の深さに付け込んで大量にミニゲームを詰め込んだという設定です。