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さんわめ!妹キャラって難しいね!

 俺は如創女学院の寮にいた。

 広さは3LDKで無駄に広い。

 しかし如創女学院ではこれが一般的な広さである。

 意味がわからない。

 ちなみに親バカなお母さんはしょっぱな寮棟まるまるひとつを与えようとしていたが奥義涙目&上目遣いで止めた。

 止めてなかったら寮棟が新しく僅か3日で出来上がるところだった。

 3日とかゲームの世界かよと思ったがゲームの世界だったので納得した。


 さて、それはさておき今日は入学式である。

 つまりクラス分け、主人公と同じクラスになれるのかドキドキワクワクの運ゲータイム……になるのが普通なのだが恐らく同じクラスである。

 なぜかって?

 理事長が親バカな私のお母さんだからだよ。

 お母さんが気を遣って友達の永久を俺と同じクラスにするに決まっている。


 ということで、一切ドキドキワクワクしないがどのクラスかはわからないので早速クラス分けを見に行くことにした。


「ねぇあの子……」

「迷子かしら?」

「けど制服来てるわよ?」


 ……クラス分けを見に来たら身長が低すぎて注目の的になってる……


 ……よし、無視しよう。


 えっと……クラスは……一組か。


 おっ、あそこに永久が居る!

 よし!突撃だ!


「あっ、お姉ちゃん!」

「ふぇ?」


 勢いをつけて飛び込んだ。


「え?あっ、織夏ちゃん!?」

「そうだよ!えへへ……」


 ん?なんか永久顔青くない?

 どうした?気分悪いのか?


「織夏ちゃん、ここって女学院だよね?」


 あぁ、最後意味深な感じで別れたから男だとバレてるんじゃないかと不安なのか。

 だから女学院かどうか聞いて俺が「そうだよ、あれ?なんでお姉ちゃんはここにいるの?」ならアウト、「そうだよ、どうしてそんなこと聞くの?」ならセーフっていう確認方法か。

 よくこんな一瞬で考えたな。


「そうだよ!それがどうかした?」

「セ……セーフ……いや?なんとなく聞いただけ。」

「そっか!」


 誤魔化し方雑だな!? 


「あっ、お姉ちゃん同じ一組だよ!」

「へ〜、同じクラスなんだ。」


 さて、入学式を行うのは第一体育館か……


「お姉ちゃん!早速第一体育館に行こう!」


 俺は永久の手を引いて走り出した。


「えっ、ちょっ、え!?力強っ!?」


 なんか女性に対してめっちゃ失礼なこと言っている気がするが……

 無視しよう。


「着いた!」

「ちょっと……足……速すぎない?」 


 なんか息切れしてる?

 主人公ってかなり身体能力が高かった気がするんだけど……

 いや……よくよく考えたらこの学園ってめっちゃ広いんだった。

 確かゲームだと学園内はバスで移動してたし……

 けどたった3kmだよ?

 確かに全力疾走したけどそんなに……


 ……はっ!?

 そういえば転生前の俺は100mでも全力疾走したらかなり息切れしてた!?

 あ、危なかった、そうか全員がこの無駄に高性能な身体じゃないのか。

 むしろ全力疾走で走りきれた分十分異常な体力だったわ。


 ……息切れしてない俺はいったいどうなっているんだ?

 うむ、考えなかったことにしよう。


「ほら!早く入るよ!」

「え?まだ誰も来てないんじゃ……」

「ん?あぁ!ほら!あそこ見てみて!」

「え?……は?」


 そこにはバスから降りてきた生徒が居る。


「あ、あれって……」

「バスだよ!生徒は場所を移動するときは大抵あれを使うの!」


 因みにゲームではその設定上一度場所を移動するたびに一時間が経過するシステムになっている。

 だが、この世界では徒歩でも行けるため近くならば走ったほうがいい場合もある。

 なお、この学校の広さは5平方キロメートルである。


「ね、ねぇ……、僕達もあれを使えばよかったんじゃ。」

「ふぇ?なんで?」


 あっ、私の護衛こと黒服(女性)がバスから降りてきた。

 護衛なら走って追いかけてくるべきなのだが、女性だし、俺や主人公に追いつける身体能力を持つやつはほぼいないため仕方がないだろう。

 女性じゃなかったら?

 お母さんに役立たずだって言う……訳はない。

 だって純粋無垢な妹キャラ設定が崩れるし。


「だって疲れ……てないね織夏ちゃんは……」

「うん!」


 この体は疲れ知らずのチートスペックなのだ!


「けど、出来ればバスのほうがいいんじゃないかな?」

「う〜ん?よくわかんない!」


 自分で言っておいてなんだけどなんか男がやってると考えると殴りたくなってくるセリフだよね。

 まぁ、今の私は可愛らしい妹キャラだから言っても殴られるというより撫でられるけど。


「う〜ん……、あっ、バスのほうがお話がしやすいよ。」

「え!?じゃあこれからはバスにしようかな?」

「うん、そうしようか。」

「わかった!」

「じゃあ早速体育館に入るよ。」

「うん!」


 俺が妹キャラで一番難しいのは主導権を握っているのは主人公だと思わせることだと思っている。

 だって妹キャラが話の主導権を握るって違和感あるじゃん?

 けどよくよく考えたら妹キャラがしたいことをなんだかんだ結局してるよね。

 つまり妹キャラは主人公に嫌な感じをださせずに主人公を操れるんだよね。


 けどこの調整がなかなか難しいんだ。

 何度もやると相手も面倒くさく感じてくるからあんまり仲よくない状況だとどちらかといえばわがまま妹キャラだし、まぁそれも妹キャラなんだけど俺がやってるのは純粋無垢な妹キャラだからね。

 ジャンルが違うんだよ。


 因みに今回の場合は俺が最初に言った体育館に入るという行動を最終的には主人公に言わせているのだ。

 まぁ、今回は簡単なシチュエーションだったけどね、最初から体育館には入らないといけない状況だったし。

 今回はいわばチュートリアル、これから先頑張らないと!

妹キャラの難しいところに関してはあくまで作者の持論です。

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