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じゅうはちわめ!私が居なくても良かったんじゃ……

これからは投稿頻度が低くなるかもしれません。

戦闘が開始した後、戦いは一方的なリンチに変わっていた。


姉御と永久ちゃんの二人相手ではレベル20程度ではコンピューター相手には荷が重かったのだ。

乙姫では、レベルが10も差があれば二人で戦ってもそこそこ苦戦するのだが、この世界は現実であるため姉御がNPCではないため強くなっているのだ。


まぁ、つまり俺が出る間もなくリンチになっていた。

あっ、死んだ。


ふたりとも勝利ポーズしてるけど俺なんにもしてないししなくていいや。

ちょっと恥ずかしいし。


因みに姉御の勝利ポーズはヤンキー座りで肩に釘バットを乗せるポーズだ。

やっぱりレディースじゃねえか。


「流石に数で押すと弱く感じちまうな。」

「う〜ん……じゃあもっとレベル上げる?」

「そうだな……、じゃあ次はレベル30でやってみるか。」


……レベル30は厳しいんじゃないか?


数分後……


「流石に厳しいな……」

「あぁ。」


差がありすぎでは?

もうふたりとも結構ボロボロだよ?

というか三人がかりなら倒せそうなのに俺が参加しようとしても何故かさせてくれないんだよ。

これが妹キャラの弊害か……


「永久、あたしが正面から敵を引き付けるからあんたは背面から不意打ちしてくれ。」

「わかった。」


……それ姉御が敵の攻撃を正面から捌ききる必要があるんだけどできるのか?


「うおぉぉぉ!」


うわ、姉御が突撃した。

……えぇ……全部の攻撃を捌いてるよ……

たぶん今までは攻撃にも意識を向けてたからダメージを受けてたけど今は防御だけに意識を向けているからできてるんだろうな。


「よし、ぼ……私も!」


永久ちゃんが後ろにまわり首辺りに短剣を突き刺した。

首への攻撃は致命傷になり得るためクリティカルヒットで大ダメージだ。

……普通に勝っちゃったな……


「ふぅ……流石にふたりじゃなかったら倒せそうにねぇな。」

「そうだね、防御はしないけど攻撃が激しすぎる。」

「……私いる必要あった?」

「「あっ……」」


おい……


「えっと……織夏ちゃんに戦わせるのはちょっと罪悪感が……」

「妹が居るからちょっと忌避感が……」

「え?姉御って妹いるの?」


まぁ、知ってたが。

乙姫だと可哀想なキャラなんだよな……


「あぁ、まだ10歳の妹がな……」


10歳だからたぶん今の俺と同じぐらいの体格だろうな。


「……まぁ、今は妹のことは関係無いだろ。」

「それもそうだね。」

「じゃあレベル上げを再開するぞ。」

「わかった。」

「……次は参加させてね。」

「「……善処する。」」


あっ、これ駄目なやつだ。


その後、姉御はレベル13、永久ちゃんはレベル12になった。

俺?たかがレベル30を倒した程度じゃ経験値は雀の涙以下なんだよなぁ……


さて、その翌日、俺は理事長室に来ていた。


「どうしたんだい私の愛しい娘よ。」

「あのね、こういう大会を開けないかな?」


俺はある大会の提案書をお母さんに渡した。


「うん?……なるほど、この学校なら優秀なものも居るだろう。」

「じゃあ!」

「あぁ、いいぞ。」

「やった!お母さん大好き!」

「うっ……」


お母さんに思いっきり抱きついたら鼻血を出している件についてどう思う?

というか興奮して鼻血が出るのってガセだった気が……

あっ、この世界がゲームだからか。


*  *  *


娘大好き過保護親バカ視点……


理事長室で仕事をしているとノックの音が聞こえた。

入ることを許可するとそこには私の娘が居た。

飛びついて抱きしめようとする気持ちを抑えながら何をしに来たか聞いた。

お母さんに会いに来たならいいな〜


「どうしたんだい私の愛しい娘よ。」

「あのね、こういう大会を開けないかな?」

「うん?」


違った。

内容は……李治家の一人娘の護衛を決める大会?

大会で優勝したものを護衛にいれるのか……


「なるほど、この学校なら優秀なものも居るだろう。」

「じゃあ!」

「あぁ、いいぞ。」

「やった!お母さん大好き!」

「うっ……」


私の娘が机を飛び越えて抱きついてきた。

はっ!

興奮で鼻血が!


「ふぇ!?は、鼻血が出てるよお母さん!私が強く抱きしめすぎたのかな……」

「違うぞ我が娘よ、最近鼻血が出やすくなってただけさ。」

「そうなの?」

「あぁ、織夏のせいではない。」

「良かった……あっ、鼻血の手当しなくちゃ!」


私の娘に鼻血の手当……

うっ、考えただけで鼻血が……


「ふぇ!?勢いが増してるよ!?大丈夫!?」

「あぁ、問題ない。」


少し世界が歪んで見えるが問題ない。


「保健室に行かなきゃ!」

「問題ありません織夏様。」

「黒福さん!」

「ここに救急箱が。」

「わかった!」


数秒後……


「これで大丈夫だよね?」

「あぁ。」


正直倒れそうなほどふらふらだが問題ないだろう。


「じゃあまたね、お母さん。」

「あぁ。」


本音を言うなら行かないでほしいが止めるわけにもいかない。

名残惜しいが……

本当に名残惜しいが……


「よろしかったのですか?」

「何がだ?」

「この大会ですよ。」

「問題はないだろう。」


これといった穴は無い。


「そうですか。しかしいきなりこのような大会を提案なされたのは何故でしょうか……」

「ふむ……、たしかにそうだな。少し調べておくとしよう。」

「ならば交友関係を調べるべきかと、最近ですと姉伍家のご令嬢と修練場へ行ったようです。」

「姉伍家か……」


あそこは古臭い男尊女卑の家だった筈だが、何故か娘をこの学校に入学させていた。

いつもなら義務教育しか受けさせていなかったはずだが……


ふむ、怪しくはあるな。


「では姉伍家を調べるとしよう。」


これで理由が分かればいいが……

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