じゅうよんわめ!メイク?なにそれ?
ちょっと遅れました。
荷物を永久ちゃんの部屋においた後……
「あれ?お姉ちゃんはその人とどっかいくの?」
「うん。そうだよ。」
「へぇ〜、ところでなんて名前の人?」
まぁ、ちゃんと覚えているが。
「あら、申し遅れたわね、私は順条 陽香よ。」
「陽香ちゃんっていうんだ!」
「……なんで私のほうが身長高いのにお姉ちゃん呼びじゃないのかしら?」
……ぶっちゃけなんて呼ぶべきか困ってるからだが。
お姉ちゃんは永久ちゃんとかぶるし、お姉様は陽香ちゃんの家よりも俺の家のほうが権力とか持ってるからあれだし。
お姉さんはもっと似合うキャラがいる。
う〜ん……、無理だな。
「順条さんはこれからどこ行くつもりなの?」
「そうね……、よくよく考えたら全く決めなてなかったわ。」
「えぇ……」
原作だと……、確かメイク道具をくれるんだったよな。
助けられたお礼がメイク道具って正直違和感が凄いけどそこはまぁゲームの世界だから気にしてはいけない。
「そうだわ!私の部屋にあるおすすめのメイク道具を差し上げますわ!」
「え?」
「見た感じメイクをしてないようですしせっかく可愛らしい顔をしているのですからメイクは必須です!」
「私はしてないけどね。」
「貴女は……、むしろしてないほうが自然な気がするわね。」
まぁ、妹キャラ……というより幼い系のキャラにはメイクは違和感あるからな。
一応お母さんからメイクの仕方は教わってるからできるけどね。
正確には変装に使う特殊メイクだけど。
「私は行かないからお姉ちゃんと陽香ちゃんの二人で行ってきてね!」
「あら、よくわかってますわね。」
「?」
あんまりよくわかってなさそうな顔をしているな永久ちゃん。
……正直メイク道具には全く興味ないから追跡もしなくていいや。
「じゃあ行ってくるね、織夏ちゃん。」
「うん!いってらっしゃい!」
う〜ん……、何してようかな?
そうだ!筋トレしよう!
* * *
織夏ちゃんとゲームセンターで遊んだ翌日の放課後、僕はあの学食の謎の高級感に気圧されてしまい、味がよくわからなくてつまらない食事に今までなっていたため。
お弁当を作ろうかと考えていた。
「う〜ん……」
「どうかしたのお姉ちゃん?」
「あ、永久ちゃん。実はね、お弁当を作ろうかな?って考えてたんだけど。」
家族が料理できないから僕がしてたらいつの間にか料理技術が上がっていたためある程度上手に作れる自信があるしね。
「お弁当?」
「実は学食の無駄な高級感にまだ慣れてなくて。」
「へ〜、あっ、お姉ちゃんのお弁当私も食べてみたいかも。」
「じゃあお弁当の材料買いに行ってくるね。」
織夏ちゃんに頼まれたからにはやらないわけには行かない。
「あっ、学園内にはスーパーがないから材料を買うなら外のスーパーに行ってね。」
「……高級アパレルショップはあるのにスーパーはないのか……」
おかしいだろ絶対。
さて、僕は現在お弁当の内容を考えながらスーパーへと向かっている。
……こんなことするからトラックに轢かれかけるんだろうなぁ。
などと考えているとスーパーが見えてきた。
スーパー角泰、よく赤字になってないなと思うほど商品が安いスーパーだ。
たまに高級品が安価で売られていることでも有名である。
僕がスーパーに入ると何やら視線を大量に感じ、ふと自分の服装が変なのかと思い見てみると、制服を着ていた。
「!?」
なんで見られているんだろうと思ったらこれか!?
……うぅ……、着替えるの忘れてたなぁ……
次からは気をつけないと……
……にしてもなんで制服ってだけで見られたんだ?
……まさか制服を着た僕の姿がかわいいとか?
いやいや、まさかそんなわけないよね。
……ないよね?
これ以上考えたらだめな気がする。
よし、忘れよう。
材料は何にしようかな〜
あっ、織夏ちゃんが苦手なものは入れないようにしないと。
確か織夏ちゃんは朝食で鮭が出たとき避けていたな。
なら魚が嫌いなのかも。
魚は買わないでおこう。
う〜ん、他の材料は……
ベーコンとかプチトマトとかアスパラとかかな?
……よし、こんなもんかな。
そう思っていると、ポケットのスマホが振動した。
ん?メール?
なになに……
あっ、お弁当箱
忘れてたなぁ……
いや、それよりもこの追伸のほう!
如創女学院の制服だと珍しいから目立つだって!?
よかった〜、僕が可愛いからじゃなかったんだ〜
さ〜て、このあと100円ショップに行かないとなぁ
さっさとお会計をしていかなきゃ!
……う〜ん、やっぱりこのスーパー安いな〜
これぞ主婦の味方って感じだね。
……いや、僕は男だけどね?
さ〜て、早速お弁当箱を買いに行くぞ〜
……にしても袋まぁまぁ重いな……
あっ、見えてきた。
100円ショップ佰園。
そう言えばここらへんのお店ってそのまま過ぎるよな〜
まぁ、いいや、お弁当見よ〜
……う〜む……
かわいいほうがいいのかな?
女学院だし。
いや、けどな〜
……しょうがない、かわいい方にしておこう。
僕はくまさんの二段のお弁当箱を手に取った。
織夏ちゃんはどれぐらい食べれるのかな?
…………なんか一段のほうがいい気がする。こう言っちゃ悪いけど僕よりも結構身長が低いし、正直小学生にしか見えないし。
僕の身長はたったの150cmなのにそれよりも低いのだ。
……正直栄養が足りてないのではないかと思ってしまうな……
まぁ、僕も人のこと言えない身長だけど……
うん、思考を戻そう。
織夏ちゃんは同じ柄の一段のお弁当箱でいいよな。
……織夏ちゃんに同じ柄を選んだこと気持ち悪がられないよな……
いや、織夏ちゃんならキモがったりするはずないな。
よ〜し、お弁当箱も買ったし帰るぞ〜
……帰り道を歩いていたらナンパされている女性がいた。
助けないと!
「あの!」
「あぁん?って、結構かわいいじゃん?」
「あんたも俺等とつきあいたいのかい?か〜っ、モテる男はつれぇなぁ」
こいつらきも!?
「嫌がってるじゃないですか!」
「あぁん?なにいってんだてめぇ……」
「生意気なメスガキはわからせてやらねぇとなぁ!」
うわ……、殴りかかってきた。
とりあえず投げるか……
「なっ、てめぇ!」
声の位置的にちょうど後ろ回し蹴りが届くな。
てりゃっと!
……あれ?ふたりとも起き上がってこなくね?
あっ、気絶してる……
弱!?
「あっ、ありがとうございました!あの、その制服って……」
「んえ?あっ、同じ学校の人?」
「はいっ、オリエンテーションで優勝してたから印象に残ってます!たしか音湖さんですよね?」
「そうだよ。」
え〜と……、やっべ、だれかわからない……
「あの!できれば助けてくれたお礼をしたいんですけど!このあと時間ありますか?」
「大丈夫だけど……」
「じゃあ早速行きましょう!」
「えっと……とりあえず荷物置きたいから寮に戻ってからでもいいかな?」
結構重いし。
「あっ、すみません!そうですよね!」
「だからここで……」
「私もお供します!」
「そ、そっか……」
なんかぐいぐい来るな……
「あっ、お姉ちゃん!」
「ふぇ?織夏ちゃん?」
「……お姉ちゃん?」
まだ女学院の外なのになんでいるんだろ?
「えへへ〜」
か……かわいい……
「あの、妹さんですか?」
「違うけど……、まぁ似たようなものかな?」
妹か……
いたらこんな感じなのかな?
「つまり私の……」
「あれ?お姉ちゃん、隣の人は誰?彼女?」
「ふぇ!?」
「なるほど味方ですね。」
ち、ちがうよ!?
彼女なんてこれまでいたことないし!
……なんか虚しくなってきた……
はっ、彼女ってことは僕が彼氏扱いってことじゃないか?
「わ、わわ、私は女ですよ!?」
「?お姉ちゃんだからそうだよね?」
「……あぅ……」
バレてなくて安心したけど男としての威厳が……
「あっ、お姉ちゃん重たそうだね。片方持ってあげる。」
「えっ。」
落ち込んでたら取られちゃった!
「わ、悪いよ、それに重たいでしょ?」
「え?これぐらいなら何も持ってないときと対して変わらないでしょ?」
「……まじで?」
5キロぐらいあると思うんだけど……
永久ちゃんは李治家の養子になったため、織夏ちゃんは義理の妹となります。
そのため織夏ちゃんは実際に妹です。
ただ、永久ちゃんはそのことを知りませんが。