緋桜 (1)
京劇の孫悟空みたいなヘルメットを付けた人。
そして、銀色の狼男。
2人の日本の「御当地ヒーロー」は、ボク達が乗ってるトラックを銃撃してきた、こっちも2人の白い強化服のヤツに立ち向かっていった。
「孫悟空」の方は、地面スレスレを飛び、横に倒した弓から矢を放ち……。矢は、白い強化服のヤツの片方の太股を貫通。どうやら、太い動脈が通っている所に当ったみたいで……傷口からは、もの凄い勢いで血が吹き出す。
残りの1人の白い強化服も、銀色の狼男のパンチであっさり吹き飛ばされ……あれ?
「な……なに……あれ?」
「え……っと……こっちが聞きたい……」
ボクの疑問に、日本の「魔法使い」の女の子が答える。
矢で射貫かれた方は太股から血を流しながら……パンチで吹き飛んだ方は……ガスマスクから血を流しながら……銃撃を続ける。
「ゾ……ゾンビ?」
「い……いや……強化服にかけられてる防御魔法以外は……それっぽい気配は……」
「ねぇ、そっちも強化服を着てるんなら……これ使える?」
ボクは、トラックに積んであったでっかい機関銃を渡す。
「えっと……使った事無い……あ……あ、そう……判った」
「どしたの?」
「味方から……この強化服の射撃補正機能をONにした、って連絡が……」
「じゃあ、使えるよね」
「や……やってみる」
……十数秒後、2体の白い強化服の奴らは……ひき肉になっていた。
「ゆ……夢に出そう……」
「なら、やらせんな……」
日本の魔法使いの女の子も半泣きの声だった。
「どうなってんだ、こりゃ? これが……『レコンキスタ』の最精鋭部隊?」
「痛覚を麻痺させてるんですかね?」
「にしても……何か変だ……」
狼男と「孫悟空」は、そう会話を交していた。どうやら……この2人にとっても、白い強化服の連中は、何か変な点が有るみたいだ。
「えっ?」
「何だこりゃ?」
続いて、「孫悟空」と日本の魔法使いの女の子が同時に声を上げる。
「どしたの?」
「味方」から何か連絡が有ったらしいけど……「孫悟空」と日本の魔法使いの女の子は……どう答えたらいいか判んないようだった。




