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The Creature (2)

『もう……俺は駄目だ……』

 雑魚どもと戦闘中に、いきなり、ヤツから、そんな通信が入ってきた。

「待て……どう云う事だ……」

『や……やられた……。腹を切り裂かれて臓物が出てる……。もうすぐ死ぬ』

「ふ……ふざけ……ふざけるな。それでは……」

 俺の体に埋め込まれている爆弾。それは、ヤツの命と連動している。

『大丈夫だ……。そっちは……別の俺に引き継いだ』

 何の事だ? どうなっている?

『俺からの最後の命令は……2つ。まずは……好きなだけ暴れろ。こんなクソな町……いや島ごとブッ壊すつもりでな……。次の命令は……事が終ったら……別の俺の指示に従え』

「何の事か判らんが……まずは……好きに暴れろ……そうだな?」

『ああ……』

 何がどうなったのか判らんが……まだ敵は居る。戦い続けるしか無いようだ。

 だが、その時……「九段」とやらから来た敵の「国防戦機」の一機が突然前のめりに倒れる。

 馬鹿な……。俺は何もしていない。

 そして……富士の噴火より前……「国防戦機」の最初の試作機が「御当地ヒーロー」によって「制御システムのバグを利用して転倒させられる」と云う事が起きてから……「国防戦機」の動きは、単に操縦者の動きをトレースするだけでなく、AIによる補正が行なわれるようになった。

 早い話が「AIによる補正を切らない限り、倒れたくても、倒れられない」ようになったのだ。

 だが……目の前では……いや……今度は、もう一機が手に持っていた銃を落してしまった。

「戦況分析AI、何が起きているか判るか?」

『視界外の何者かによる銃撃です。周囲の敵機以外による銃声と銃弾が何からかの剛体に近い特性の物体を貫通した際に発生したと思われる音を検知しています』

「では……敵は……?」

『上……もしくは……下です』

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