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護国軍鬼・零号鬼:二一世紀

 二〇〇一年九月一一日。

 全ては変った。

 ニューヨークのビルに突っ込んだ2台の旅客機。

 空港の管制室と旅客機の通話記録は、旅客機の乗員が、人の心を操る事が出来る「何者か」に支配された事を示唆していた。

 俺達のような「普通の人間にない能力(ちから)」を持つ者の存在を、そうでない人間達が知る事になった。

 アメリカは何故か中東の国と戦争を始め……韓国と北朝鮮は1つの国になったが、たった半月で終った「第2次朝鮮戦争」は日本やロシアや中国に思わぬ影響を与え……。

 多分、9・11と、俺達のような「異能力者」の存在が知られる事は、巨大な爆弾の信管のようなモノだったのだろう。

 世界の多くの国々で、国そのものの機能が麻痺していったらしい。

 日本では、元から有った都道府県警に加わて日本全国を担当範囲にする「広域警察」が設立された。

 その中の1つが「異能力者を狩る為の異能力者」を求め始め……俺は、その一員となる事に成功した。もちろん、雇い主からすれば、俺の前歴には不明点や不審な点が山程有ったが、俺の桁外れの力は手放すには惜しいモノだったのだ。

 一方、アメリカは大統領暗殺を契機に、国が2つに割れ、その片方が日本を実質的な属国にした。

 それに反対する勢力の鎮圧の為に、第2の自衛隊「特務憲兵隊」が創設され……。

 更に、どうやら、高木美憲(よりのり)の子孫が、俺の紛物(まがいもの)の生み出したらしく……。

 それまでの八十数年の人生より、遥かに慌しく思える十数年の月日が過ぎる中、あれが起きた。


 その時、嫌な「何か」を感じた。俺に似た力を持つ誰かが、何か、とんでもない事をしでかした。それを本能的に察知したのだ。

 その日の内に、東京に、とんでもない量の火山灰が降り、東京の都市機能は完全に麻痺した。


 流石に、この時ばかりは奴らと協力せざるを得なかった。

 「護国軍鬼」……高木美憲(よりのり)が俺に付けた呼び名と同じ名前を名乗るその「鎧」の金属装甲部分には、独特の虹色の光沢が有った。……そうだ……高木美憲(よりのり)が俺に託した軍刀に似て非なる……。

 奴らと共に富士の噴火で被災した無数の者達を助け……その何倍・何十倍……ひょっとしたら何百倍もの者達を、力及ばず助ける事が出来なかった。


 政府要人の大半は行方不明になり、日本は国連機関により暫定統治される事になった。

 首都圏・甲信・中部には、火山灰と……そして大量の火山性ガスによる酸性雨が1年以上に渡って降り続け……国連と新しく設立された「株式会社・日本再建機構」は東京及びその近辺の再建を諦めた。

 俺が属していた「対異能力犯罪広域警察」……通称「レコンキスタ」……の指揮系統も大きく変り……。


 日本を大きく変えた、あの日から十年近くが経ち、俺は「レコンキスタ」の特殊部隊「ゾンダーコマンド」の最高指揮官にして……「レコンキスタ」の事実上の支配者となっていた。

 そう考えるようになった切っ掛けが何だったのか、俺自身にも判らない。

 慌しい二十数年が一段落したからなのか?

 それとも、ようやく、俺が友の願いである「この国の弱い者・傷付いた者を助ける」力を得たからなのか?

 俺は……自分が、とんでもない間違いをしてしまったのでは無いか?……そう思うようになっていた。

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