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眼鏡っ子 (2)

「なぁ……こいつ……誰だ?」

 「秋葉原」の表通りの雑居ビル。

 あたしが「出向」中の自警団「Armored Geeks」は、「薔薇十字魔導師会・神保町ロッジ」のいわゆる「フロント企業」の名義で、そのビルを丸ごと借り切って本部に使っていた。

 そのビルの中で、倉庫代りに使われている地下室。

 そこには、「入谷七福神」のメンバーが十二人と「寛永寺僧伽」のメンバーが十三人、監禁されている筈だった。

 だが、二十六人目が居た。

 ボウボウに延びた髪と髭。

 長い期間、お風呂に入っていないらしい垢だらけの肌。

 痩せ細った体。

 この時期に、何故か、ボロボロの夏物の服。

 腕には無数の注射の跡。

 薬物依存症らしき虚ろな目。

 足には、拘束に使われていたらしい頑丈そうな鎖。

「おい……『Armored Geeks』は、何やってたんだ一体?」

「いえ……知り……えっと……?」

「どうした?」

 どこかで見た事が有る。……しかし……いや……まさか……そんな……。

 あまりにも姿が変っていたのと、こんな所に居ると云う発想さえ浮かばなかったせいで、その男の人が誰か気付くのに時間がかかった。

 何故、この人が、ここに居るの?

 夏の事件で……勇気さんに「精神操作」の魔法をかけた……「薔薇十字魔導師会・神保町ロッジ」の先輩……ただし、あの事件以降は……行方不明中の……。

「ええっと……その眼鏡の人、この男が誰かは知ってるけど……何で、ここに居るかは判んないみたい」

 本土から来た女の子が、そう言った。

 そ……そう……その通り……。あたしは……何も聞いていなかった。

 判るのは、ただ1つ。「薔薇十字魔導師会・神保町ロッジ」は「Armored Geeks」を完全に操っている訳では無かったらしい事だけ……。

 多分……最早、主要メンバーが生き残っていないであろう「薔薇十字魔導師会・神保町ロッジ」。数少ない生き残りであろうあたしを含めて、あたしが所属していた「自警団」は夏の事件から重大な教訓を学び損ねていたのかも知れない。

 「精神操作」系の「魔法」にかかった相手は……その「魔法」をかけた者の思う通りに動いてくれるとは限らない……。

 それどころか、大昔のSFか何かの「作られた通りに動いているのに、作った者からすると暴走しているようにしか見えないロボットやコンピューター・システム」のように、「精神操作」の「魔法」をかけた者が想像もしていなかった暴走をしてしまう事が有る、と云う事を……。

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