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関口 陽(ひなた) (4)

「な……なんて真似を……」

 炎の奔流は狼男を包み……。

「う……うそ……」

 あの爆炎でも、狼男を倒せてない。

 毛皮も皮膚も焼けているが……。

 狼男の「気」を()()。まだ、ピンピンしている。

 「羅刹女(ニルリティ)」が狼男を攻撃。今度は効いてる……そうか、毛皮こそが鎧なら、毛皮が無い今こそ……えっ?

「再生してる……のか……あれ?」

「そう云う事。あいつには高速治癒能力も有る。毛が生え変わる前に倒さないと……」

 声の主は「猿神(ハヌマン)」を名乗る黒いコートの男。

 そいつは、ゴツい弓矢を構える。

 「羅刹女(ニルリティ)」は、狼男の片腕にしがみ付いている。

 しかし、近くの民家……と言っても十年モノのプレハブ造りだが……の壁に叩き付けられ……あれ?

 苦しんでるのは、狼男だ……。

 そして次の瞬間、「猿神(ハヌマン)」が次々と矢を放つ。

 とんでもない絶叫。近くの建物の安物の壁が震える。

 ようやく狼男は倒れ込んだ。

 そして……狼男の最後の絶叫を聞き付けて、次々と現われて来る者達が居た。

 河童。

 「神保町」の魔法使い。

 改造された工事用重機。

 四足歩行型の戦闘用ヴィークル。

 「Armored Geeks」のメンバー。

 ……そして……。

「あれ? 何で若頭(カシラ)が2人……?」

 あまりに馬鹿な一言を言った河童が宙を舞う。

「悪い。良く似た別人だ」

 そして、もう1人……味方の方の狼男。

「何が……起きてる?」

 不機嫌そうな女の声。

 そして……身長5〜6mのエメラルド・グリーンの異形の怪物。

 雄獅子の顔。

 人間の女の胴体。

 蛇の下半身。

 天使の翼。

「『本土』のヤツらに、私達の『島』で勝手な真似をされてたまるか」

 危なかった。かなり強力な「言霊」だ。

 魔力を感じた瞬間に、とっさに自分自身の「心」を防御するのが、一瞬の更に何分の一か遅れていたなら……。

「何だ……ありゃ?」

「俺は……見た事有ります」

 私は……噂で聞いた事が有るだけだ。

 それは、「神保町」の自警団「薔薇十字魔導師会・神保町ロッジ」の「総帥(グランドマスター)」の使い魔だった。

「おい、何が起きた?」

 どうやら、霊的存在を認識出来ない状態になってるらしい「羅刹女(ニルリティ)」も異変を感じたようだ。

「ど……どうやら……この辺りに居る『自警団』のヤツほぼ全員に『精神操作』の魔法をかけやがったようだ」

 四足歩行型のヴィークルが河童どもを踏み潰し出す。

 「Armored Geeks」のヤツらが銃を乱射し始める。

「なるほど……その『精神操作』とやらのお蔭で、仲間内の喧嘩よりも……『本土』の人間……少なくとも、そう認識した相手への攻撃を優先するようになった訳か」

 「副店長」が、その言葉と共に銃撃。

 しかし……。

 銃弾の先……そして、巨大な「使い魔」の足下……いや、正確には足は無いが……に居たのは1人の男物の白いマオカラーのスーツに黒いシャツに白に近いピンクのアスコットタイ……お洒落に思うヤツも居るだろうが、私としては「男のヤクザかお前は?」とツッコミを入れたくなる感じの……に、如何にも「ハリー・ポッター」世代がイメージする「魔法使い」と云う感じデザインの表は黒で裏地は鮮かな赤のフード付のコートと云う珍妙な格好の女。

 だが、その女を身を挺して守ったのは……「Armored Geeks」の兵隊だった。

「誰かは知らんが……御名答だ」

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