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高木 瀾(らん) (3)

 私は、狼男……久米銀河を苹采(ほつみ)姉さんが居る場所まで誘い出した。

 苹采(ほつみ)姉さんが乗っている4輪バギー(ATV)「チタニウム・タイガー」がウイリー走行しながら、こちらに近付く。

「余剰エネルギー放出準備。出力最大。胸部・脚部前面。放出」

 「鎧」の制御AIに命令。

「うげっ⁉」

 私は放出された余剰エネルギーを利用して久米と距離を取る。

大元帥明王(アータヴァカ)‼ 横に飛んで伏せろ‼」

 私は関口に音声無線で連絡。

 続いて……「チタニウム・タイガー」の底部から炎が吹き出る。

 本来は、障害物を飛び越えたり、急加速をする為のロケット燃料だ。

 底部と後部に各3回分。ただし、今回は、底部の3回分を1度で使い切った。

 「チタニウム・タイガー」は宙に浮き後退。

「『ガジくん』来てくれ」

 私は、制御AI搭載の三輪バイク(トライク)を呼びながら、久米に突撃。

「て……てめぇ……」

 体毛は焼け落ちてはいたが……まだ……死んではいない……。

 私は、久米の鳩尾に蹴りを入れる。

「ぐへっ……」

 「防御特性を自在に変えられる鎧」と言うべきヤツの体毛は失われている……。

 だが、蹴り一発では倒れてくれない。

 ヤツの右手の爪が延びる。

 その右手が振り降され……。

 私は久米の右手に飛び付き、全身の力を使って肘関節を()める。

「うがあああっ‼」

 だが、ヤツは、私の体ごと自分の右手を近くの建物に叩き付ける。

 プレハブの建物の安物らしい壁は、あっさり陥没。

 と同時に、ヤツの右腕の肘関節を外す事に成功。

 再び久米の絶叫。

 しかし、それは、肘関節が外れた苦痛によるものでは無かった。

 久米の胸から……何本もの矢が生えていた。

 その(やじり)は……ダムダム弾のように変形していた。

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