関口 陽(ひなた) (7)
「おい、何でこうなるっ⁉」
「あんたの首に埋め込まれたGPSのせいだ」
チビがそう解説する。
銃撃音。そして時折響く罵声。
「出て来やがれっ‼」
「フザけやがってッ‼ そのクソチビをブッ殺せと言っただろッ‼ 何、仲良くつるんでやがるッ⁉ 仲間の命が惜しく無いのかっ⁉ それとも、お前ら、レズか何かかッ⁉」
「否定はしないが『レズ』は差別用語だ」
「おい、チビ、そんな事言ってる場合かッ⁉ つか、お前も銃を持ってるなら、反撃しろッ‼」
「あ……あぁ……そうだな……気が進まんが……」
「あのさぁ……まさか、人殺した事無いの?」
「そっちこそ有るのか?」
「あなたは有るんですか?」
チビと「靖国神社」に雇われてる同業が同時に質問。
「……無い……」
突然現われたのは、強化服を着たヤツ1人に、「秋葉原」の自警団の下っ端が十数名。
全員、銃器を持ってる。
「お得意の魔法で何とか出来るか?」
「残念ながら、そこそこの護符を持ってるみたいだ。効き目は薄れる」
「私のは……」
「予想は付く。相棒の小動物が居ないと使えない上に、対『魔法使い』特化型。一般人には逆に効き目が薄い。そんな所だろ」
「どう云う術なんだ?」
「何で知ってるんですか?」
「『本土』の『御当地ヒーロー』の間では、かなり知られてる手だ」
「……そ……そんな……」
だが、次の瞬間、明らかに銃声とは違う轟音。
更に轟音。
音のした方向を見ると……木が大きく揺れている。
「えっ? うわぁっ?」
「秋葉原」の自警団員の1人が悲鳴を上げる。
そいつの体は宙を舞い……そして……。
「うぎゃぁっ⁉」
別のヤツの右の二の腕から、血が吹き出る。
おい……あそこは……たしか太い動脈が走ってる箇所の筈。
どうやら、その2人を攻撃したらしい……黒いコートに黒いフルヘルメット、右手に山刀を持ち、腰に矢筒を背負った何者かの姿は、一瞬にして消え去った。
「クソチビ‼ 味方を呼ぶなんて卑怯だぞ‼ 大人しく殺され……えっ?」
「秋葉原」のリーダー格の強化装甲服の男の支離滅裂な罵声は途中で止まった。




