表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/101

関口 陽(ひなた) (3)

「もしもし……ああ、兄貴の元彼女(カノ)なら私が寝取った」

 私に事情を自白(ゲロ)させたチビは、どこかに連絡し始めた。

「何の話をしてる?」

「気にするな。『誰かに捕まったりして、嘘を言わされてたりしてない』『こっちが言う事は信用していい』と知らせる為の意味の無い合言葉だ」

 チビは、そう説明したが……どう言う合言葉だ?

「で、事情は聞いた通りだ。そう、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……どうする? 判った……じゃあ、そっちに着いてから話し合おう」

「お……お前……今、何て言った?」

「良く知らないんだが……『魔法』の産物だと、そう云うモノが有ったりするのか? 経口摂取で、胃の中で溶けてない内から効き出して、相手に飲ませたが最後、他人を取調べる訓練を受けてないヤツでも正確な情報を聞き出せるような『自白剤』が……。それとも、お前は、私が思ってたより頭が良くて、全部、芝居で、あれは嘘の情報だったのか?」

「こ……この野郎ッ‼」

「後で、お前の組織の上司に『自白剤を飲まされてベラベラしゃべりました』とか報告したら、ややこしい事になってたぞ。その上司が『自白剤』がどんなモノかちゃんと知ってた場合は特にな。有益な情報を教えてやったんだから、感謝してもらいたいモノだな」

「ふ……ふざけんなッ‼」

 私はチビに殴りかかったが……次の瞬間、あっさり脇固めをかけられた挙句、道路とキスをする羽目になった。

「気に食わない真似をやった相手には、まだ無事な方の腕も脱臼する危険を承知の上で、反撃するか……」

「うるせぇ……」

「仲間が同意してくれるかは、ともかく……個人的には気に入った」

「えっ?」

「人質になってる仲間が十二人。同じヤツに捕われてるのが十三人か……」

「そ……それがどうした?」

「意識の無いヤツを二十人以上運べる車。その運転手。二十人以上の人間を車まで運べるだけの人員。この『島』で調達出来る心当りは有るか?」

 何をやってくれる気かは判るが……困った事に、そんな心当りなど無い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ