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第68話「成長②」

 今のライムが転んだ音により、洞窟の先にいたと思われる解放軍が、ライム達の存在に気付いてしまったのだ。



「やっべ! バレた!! やっぱりいたのか。解放軍!!」



 二つの灯りがどんどんこちらに近づいてくる。


 そして、視界に人影をとらえるまで接近し、ライム達は洞窟内で解放軍と鉢合わせの形となった。



「な、何者だ!? 貴様ら……解放軍じゃないな?」



 警戒する解放軍の二人に、ライムは余裕をもって答える。



「バレちゃあ仕方ない! 行くぞ、ミサキ!!」



「えぇ!!」



 いつかの再現のように、解放軍に追われるシーンに直面し、ナヴィは初めて解放軍と戦った時の事を思い返していた。


 あの時のライムは恐怖に怯え、体を震わせていた。それを知ってるだけに、とても感慨深いものがある。



(最初はあんなに臆病だったライムが、あの堂々とした立ち振舞い……

 本当に強くなった。たくましいよ! 成長したね。ライム!)



 解放軍の強者達を相手にしてきたライムが、こんな下っ端に負けるわけがない。躊躇なく洞窟の奥へと突っ込んでいく。



「そこをどくんだ! 解放軍! 道をあけろ!!」



 狭い洞窟内の通路を、解放軍の二人は横並びにして塞いでいる。

 ライムは神力・ガンで二人まとめて撃ち抜いた。



「どかないなら容赦しないぞ!! リミット・バースト!!」



「ぐわぁぁっ!!」



 ライムの必殺技 リミット・バースト一撃で解放軍はダウン。


 今度は洞窟内に解放軍の悲鳴が響き渡る。

 すると、また道の先から別の声が聞こえてきた。



「なんだ? 今の悲鳴は!? 誰かがいるのか!?」



 ここは解放軍の隠れ家、アジトなのだろうか? 何人もの解放軍が洞窟内にいそうだ。

 どれだけの解放軍の数がいるか分からず、ナヴィは少し慎重になっていた。



「また解放軍が来るよ! どれだけの人数がいるか分からない……大丈夫かい? ライム!?」



「あぁ、大丈夫だ! なんだろな……見ただけで分かるんだ!! 相手は大したことない! そう感じる気がして……」



 奥にはキリシマ、ライムの父親がいる……

 それも間違いなく理由のひとつとしてあったであろう。

 ライムはアドレナリン全開で、明らかに飛ばし気味のペースで突っ走った。



「ライム! また前から解放軍が来たわよ!」



 ミサキの声を聞くや否や、待ってましたとばかりに神力・ガンをお見舞いする。

 ライムは敵をバッタバッタとなぎ倒しいく。




 脇目も触れず奥へと突き進み、ライムの息がちょうど切れた頃……

 ライムの足取りは緩やかとなり、ついには完全に足を止めた。



「はぁ……はぁ……」


(いる! この先に!! キリシマか? いや、それとも解放軍のヤツか……?)



 曲がり角の先に、ぼんやりと灯りが見えるが、そこに先程の解放軍の下っ端とはまるで違う、オーラを纏った者が──いる。

 ライムは強敵の存在を、しっかりと肌で感じ取っていた。


 突然スピードを緩めたライムに、ミサキは困惑気味だ。

 どうやらミサキには、ライムにある“嗅覚”は持ち合わせていないらしい。



「どうしたの? あんなに勢いよく進んでたのに、急に止まっちゃって……」



「いるんだ。この先に何者かが。ミサキ、ナヴィ。ここからは慎重に行くぞ」



 ライムはゆっくりと歩き、曲がり角を曲がった。


 すると、曲がった先は少し道幅が広くなっており、狭い洞窟内からすれば、比較的スペースのある広場となっていた。


 その広場に何者かの正体をライムはとらえる。

 同様に、ライム達の存在に向こうも気付いた。



「あなたですか? さっきから私の同胞達を倒していた人物は……」



 強敵が待ち構えていると想像し、一体どんな大男がいるのかと思えば……


 背はライムより少し高いくらいで、体型は細身。意外と華奢な男だった。

 やたらと丁寧に話す口調が、余計不気味に思える。

 目の奥は笑っていない……そんな冷たい目をしていた。





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